2014 Fiscal Year Annual Research Report
解釈レベル理論による消費者行動理解とマーケティングリサーチの改善
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14J02038
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 真登 名古屋大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 解釈レベル理論 / 解釈レベル操作 / マーケティングリサーチ / 消費者行動 / 選好変化 / 時間割引 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「解釈レベル理論」に基づき、マーケティングリサーチ結果による購買予測と実際の購買結果の間に生じる乖離の原因究明と、原因となるバイアスの排除によるリサーチ結果の購買予測精度の向上を目的としている。本研究目的を達成するにあたって、H26年度は主に2つの研究を進めた。 1)商品受容評価を目的としたマーケティングリサーチで確認されることが多い「価格」「ブランド」に関する購買重要度が既存のリサーチ法と解釈レベルを適切に操作する方法(Freitas et al., 2004)によって変化するかを検証した。その結果、解釈レベルを適切に操作した場合には、価格やブランドの重要度が変化し、またマーケティングリサーチ結果(コンジョイント分析)の購買予測精度が向上することも合わせて確認された。 2)マーケティングリサーチ用の解釈レベル操作法の開発を試みた。既存の解釈レベル操作法(e.g., Freitas et al., 2004)は心理実験を目的として開発されたものであり、マーケティングリサーチに用いるにあたっては回答者への負担等の点で課題があった。そこで、文献レビュー等を通じ新たな操作法を検討した。また検討した操作法が適切に個人の解釈レベルを変化させることが出来るか心理実験を実施し、その有効性が確認された。 以上の研究成果は関連学会で発表されるとともに、査読付き論文として採択された。また今後は2)の研究に関して、新操作法に改善を施すとともに、一般消費者を対象としたマーケティングリサーチに使用し購買予測精度が高まるかどうかを検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度は、マーケティングリサーチ結果に解釈レベルの観点からバイアスが生じていたことの把握、既存の解釈レベル操作法に関する課題の把握、マーケティングリサーチ用の新しい操作法の開発などといった当初の計画を概ね実施できた。以上の理由から上記区分が相当と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
解釈レベルの新操作法について更なる検討を進めていく。具体的には、新操作法・既存操作法・無操作(既存のリサーチ法)によるマーケティングリサーチならびに、対象商品の購買結果を探る追跡調査を実施し、新操作法の購買予測精度が(他と比較して)向上するかどうか確認する。また、解釈レベルの違いによって商品デザインの重要度がどのように変化するかも検証していく。
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Research Products
(3 results)