2014 Fiscal Year Annual Research Report
仮想ハードウェアを用いないVMMによるシステム管理
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14J02075
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
表 祐志 筑波大学, システム情報工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 仮想マシンモニタ / システム管理 / BitVisor |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,VMM上で,ゲストOSの性能低下を引き起こす仮想ハードウェアを避け,ゲストOSを高速に動作させつつも,既存のVMMで使われる高度なOS管理機能(OSイメージのネットワークブート,バックグラウンドインストール・バックアップ機能)を実現した.これらのOS管理機能を実現するために,ゲストOSのディスク読み書きと平行して,VMMからゲストOSと同じディスクに対して読み書きを行う処理と,ゲストOSのディスク読み書きをネットワーク経由でサーバへ転送する処理という2つの複雑な処理を仮想ハードウェアを用いずに実装した.この際,仮想ハードウェアを用いない設計を採用しているために,割り込み制御が柔軟に行えないなどといった既存のVMMにはない制約があり,一般的な実装方法だとかえってゲストOSの性能低下につながるといった問題があったが,最新のハードウェア機能を活用したり、ハードウェアの制御を工夫したりすることで,性能低下を最小限に抑えつつOS管理機能を実現した. また,ゲストOSのさらなる高速化を図るため,インストール完了後など,VMMの機能が不要な際は,VMMを動的に取り除いてゲストOSが物理ハードウェア上で直接動作するように切り替わる仕組みを実装した.これらの仕組みを,OSの性能が特に要求されるHPCクラスタの上で動作させ性能評価を行い,既存のVMMを用いた管理システムに比べて,OSがより高速に動作することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画のとおり,OS管理機能の設計と実装,評価,発表まで実現できているほか,VMMを動的に取り除くという新しいアイデアも加わっているためおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画のとおり,仮想ハードウェアを用いないVMM上で,さらに高度な管理機能であるライブマイグレーション機能やチェックポイント機能を設計・実装する.
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Research Products
(4 results)