2015 Fiscal Year Annual Research Report
微結晶粉末での単結晶X線構造解析を可能にする新規解析手法の開発
Project/Area Number |
14J02156
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坪井 千明 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 結晶構造解析 / X線 / 磁場配向 / 粉末結晶 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
当グループでは,所定サイズの単結晶が得られず結晶構造解析が進んでいない物質の解析を可能にするため,磁場配向技術を用いて微結晶粉末から単結晶X線構造解析を可能にする擬単結晶法の研究を行ってきた.擬単結晶法では磁場により三次元的に配向した微結晶をUV硬化樹脂で固定するため,①試料の回収が不可能 ②樹脂硬化に伴う配向の乱れ,という欠点があった.この克服のため、本研究では三次元配向した微結晶の懸濁液を固めずにX線回折測定に供する手法を提案している(in-situ擬単結晶法). 平成27年度末までにおいて、下記の成果が得られた。 平成26年度にX線チョッパ-を用いたin-situ擬単結晶法を確立していたが,測定時間が単結晶法に比べて数十倍から百倍程度になる問題があった.これを解決するために微結晶の懸濁媒体を高粘度にし,配向した微結晶が揺らぐ前にX線回折測定を行う手法を開発した.L-アラニン微結晶懸濁液を試料に用い構造解析を行い,測定時間を単結晶法の二倍程度まで抑えることに成功した. 平成26年度に放射光施設SPring-8、BL38B1にて構築した実験系においてリゾチーム微結晶懸濁液を用いてin-situ擬単結晶法を行った。リゾチームの三次元配向した回折像が得られたが,構造解析には至らなかった.懸濁媒体の粘度や試料回転速度などを最適化することで構造解析可能なデータが得られると考えている. 本手法を構造未知のターゲットに適応すべく,L-アルギニンを試料に選定した.L-アルギニンの水和結晶を乾燥させ,脱水させてL-アルギニンのみで構成される粉末結晶試料を得た.本試料について磁場を印加し配向実験を行なった所,単結晶様のX線回折像が得られた.しかし,配向が不十分だったため,構造解析にはいたらなかった.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)