2014 Fiscal Year Annual Research Report
巨大分子の物性理解を目指したフラグメント分子軌道法の開発とその応用
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14J02235
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中田 浩弥 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 分子分割軌道法 / 基準振動解析 / 吸収スペクトル / ラマン散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子化学計算は様々な物理量の予測を可能にするため、可視紫外吸収スペクトル、赤外分光そしてラマン散乱などの各種分光実験を理解するために用いられてきた。本研究ではとくに従来は計算が困難であった巨大分子における分光学的物理量の予測をするために、本研究では新しい量子化学計算方法の理論を発展させて、プログラムを開発することを目指す。 この目的に沿って、巨大な分子計算に適した分割分子軌道法(FMO法)を拡張してエネルギーの1次微分と2次微分の開発に取り組んでおり、HF法からDFT法(密度汎関数法)へと拡張する作業およびラジカル分子のための開殻系計算方法の開発をした。 結果として、主に4つの新しい理論の構築とそのプログラムの実装に成功した : 1. 生体分子のラマン散乱活性の予測 2. エネルギー2次微分を用いた開殻系分子の基準振動解析および複数ラジカル分子計算方法 3. FMO法を用いた密度汎関数法のエネルギー勾配計算 4. 密度汎関数法の解析2次微分とそのFMO法への拡張 拡張したプログラムは全てGAMESSに組み込まれて、無償で公開がなされている (http://www.msg.ameslab.gov/gamess/)。開発された新規理論およびプログラムによって、従来予測が困難であった巨大分子クラスターの反応自由エネルギー計算、数百原子におよぶ中規模タンパク質の全原子量子化学計算が可能になった。とりわけ密度汎関数法のエネルギー1次と2次勾配の実装によって著しく応用計算の適用領域が拡大された。密度汎関数法は最も頻繁に使用される量子化学計算方法の一つであって、そのため密度汎関数法の実装はより多くの化学現象を解明するため欠かせない。既に全てのプログラムは量子化学計算ソフトGAMESS[7]に組み込まれ、今後の理論化学の発展へ貢献されていく事が期待されるため、本研究におけるFMO法の拡張で成し遂げられたことは非常に意義が大きい。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するので、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するので、記入しない。
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Research Products
(6 results)