2015 Fiscal Year Annual Research Report
ワンチップ光電融合ルータに向けたシリコン-化合物半導体ハイブリッドデバイスの研究
Project/Area Number |
14J02327
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 侑介 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / ハイブリッドレーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のインターネットトラフィック増大に伴い、光通信において高効率・大容量なルーティングシステムが求められている。このようなシステムを構築する方法のひとつとして、OEO (光-電気-光)変換をOOO変換で代替した光ルータの実現が期待されている。この光ルータ機能をワンチップサイズで実現可能な方法として、申請者の研究グループでは、直接貼り付けを用いたIII-V/Siハイブリッド集積を提案している。これにより、光能動素子と光受動素子を同時集積しつつ、光電融和性の高い大規模光集積回路の実現が可能である。光電融和ルータへの導入に向けた高効率III-V/Siハイブリッドレーザについて研究を進め、本年度は以下の研究成果を挙げた。 (1)作製したハイブリッドレーザのキンク特性を数値解析し、非線形光学効果による可飽和吸収を考慮することで実験結果によく一致する電流―光出力特性を得た。過飽和吸収の除去することにより、しきい値電流を47%削減可能であることを数値計算より導いた。 (2)ハイブリッドレーザを再作製し、単一のリング共振器型ミラーで19dBのSMSRを達成した。 (3)熱光学効果によるレーザの発振波長掃引に取り組み、パッシブリングでの初期検討から40 mW以下の電力でFSR一周分の位相変化(レーザでは56nmの波長シフトに匹敵)を実現できることを確認した。今後はレーザの高効率動作を達成するとともに、複数の光能動素子を集積し、波長変換器等の複雑なシステムの構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光電融合ルータの実現に向けたIII-V/Siハイブリッドレーザの研究に取り組み、以下の研究成果を挙げた。 (4)作製したハイブリッドレーザのキンク特性を数値解析し、非線形光学効果による可飽和吸収を考慮することで実験結果によく一致する電流―光出力特性を得た。過飽和吸収の除去することにより、しきい値電流を47%削減可能であることを数値計算より導いた。 (5)ハイブリッドレーザを再作製し、単一のリング共振器型ミラーで19dBのSMSRを達成した。 (6)熱光学効果によるレーザの発振波長掃引に取り組み、パッシブリングでの初期検討から40 mW以下の電力でFSR一周分の位相変化(レーザでは56nmの波長シフトに匹敵)を実現できることを確認した。 以上の研究進捗状況から、次年度中に、波長掃引可能なハイブリッドレーザの高効率動作を達成するとともに、複数の光能動素子を集積することで波長変換器といった複雑なシステムの構築が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
リング共振器を反射鏡として利用したレーザの発振動作は確認できているため、今後はその特性向上を図る。一般的な手法であるプロトン注入法により電流狭窄構造を形成するとともに、リング共振器ミラーの反射率制御することで、レーザのしきい値電流や外部微分量子効率といった特性を向上させ、室温連続発振を目指す。同時にヒータによる熱光学効果を利用することでレーザの波長可変動作を実現する。さらに、レーザと同工程で作製可能な光増幅器についても検討を進め、複数機能の同時集積を目指す。複数の光能動素子を同一基板上に集積することで、波長変換器などの複雑なシステムの構築が期待される。
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Research Products
(5 results)