2015 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマの空間的不均一性理解による液中レーザー誘起ブレークダウン分光法の精度向上
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14J02461
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 歩 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー誘起ブレークダウン分光法 / レーザーアブレーション / 液相レーザーアブレーション / レーザープラズマ / 定量分析 / 多元素同時分析 / 溶存種 / キャビテーションバブル |
Outline of Annual Research Achievements |
液中レーザー誘起ブレークダウン分光法における定量分析の精度向上を目的として、以下の課題に取り組んだ。 1. 液中レーザーアブレーションで生成する気泡内のプラズマに溶存種が輸送されるメカニズムを検討した。LiCl + NaCl水溶液中でCuターゲットのアブレーションを行い、発光スペクトルからプラズマ中のアブレーション放出種(Cu)と溶存種(Li、Na)の原子密度を評価した。その結果、プラズマ中のLiとNaの密度比は溶液中の濃度比と一致すること、プラズマ中の溶存種の密度は溶液中の濃度に比例して増加すること、プラズマ中の放出種と溶存種の密度に強い相関があることがわかった。 2. 液中レーザーアブレーションにおいて、ターゲットの組成比とプラズマ中の原子密度比に違いが生じる要因について検討した。水中Cu-Zn皮膜のアブレーションを行い、スペクトルからプラズマ中の放出種(Cu、Zn)の原子とイオンの密度比を求めた。また、レーザービーム透過法により測定した気泡の挙動から気泡内の酸素濃度を推定し、Cu原子とCuO分子の密度比を計算した。その結果、スペクトル測定時は、放出種のイオン化および酸化によってプラズマ中の原子密度比が大きく変化しないことがわかった。一方、ビーム形状がトップハット型のレーザーを使ってアブレーションを行うと、プラズマ中の原子密度比がターゲットの組成比とほぼ一致することがわかった。 3. プラズマ中の異なる原子の励起温度を比較するために、空気中および水中でCu-Zn合金のアブレーションを行い、スペクトルからCu、Znそれぞれの温度を求めた。その結果、空気中と比べて水中では、CuとZnの温度差が小さいこと、短い時間でCuとZnの温度が一致することがわかった。 これらの結果は、アブレーション現象の解明に重要な知見を与えると同時に、定量分析の精度向上のための指針を与えるものである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)