2014 Fiscal Year Annual Research Report
植物オルガネラでの基質の局在化による代謝制御機構の解明
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14J02483
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 香織 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 葉緑体 / イソプレノイド代謝 / LHC-like protein |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、イソプレノイド代謝をモデルケースとし、細胞小器官での基質の局在化のメカニズムを明らかにすることである。葉緑体で主に基質として利用されるイソプレノイドは二種類あり、geranylgeranyl diphosphate (GGPP)とphytyl diphosphate (PPP)である。これまでの研究により、LIL3というタンパク質が、GGPPからPPPへの還元を触媒するgeranylgeranyl reductase (GGR)と相互作用し、チラコイド膜に繋ぎとめていることを明らかにしている。 申請者は、LIL3がいることによって、PPPはチラコイド膜に局在し、GGPPは包膜に局在しているのではないかと仮説を立てている。この仮説を検証するため、本年度は、GGPPおよびPPPの検出方法の確立を目指した。まず試したのがLC-MSによる検出である。しかしながら、この方法では検出感度や分離度が悪く、GGPP、PPPのピークを検出するには至らなかった。そこで、次に試したのが、GGPP、PPPに酵素反応を利用して蛍光物質を融合し、HPLCにより分離、検出する方法である。GGPPに関しては、再現性良くピークを検出することができた。しかし、PPPに関しては検出方法の確立には至っておらず、実験の途中である。また、GGPP、PPPの基質の局在の違いがLIL3によるものであることを検証するため、LIL3の局在をチラコイド膜から包膜に変えた形質転換植物を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通り、geranylgeranyl diphosphate (GGPP)の検出方法の確立、および、LIL3の局在をチラコイド膜から包膜に変えた形質転換植物の作成を完了した。しかしながら、phytyl diphosphate (PPP)の検出方法の確立には至らず、まだ実験の途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在進行中である、PPP検出方法の確立を目指す。さらに、確立した方法を用いて、葉緑体の各分画(ストロマ、チラコイド膜、包膜)に含まれる、GGPP、PPP含量の測定を行う。また、LIL3の局在を包膜に変えた形質転換植物でも同様の実験を行い、LIL3の局在によって、 イソプレノイドの局在が決定していることを証明する。
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Research Products
(2 results)