2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14J02502
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 言也 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 生理的覚醒 / 課題パフォーマンス / 瞳孔サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.日本での行動実験のデータ解析…昨年度から継続して日本で取得していた24人分の実験データに関してさらに解析を行った。その結果、課題遂行直前の瞳孔のダイナミクスから課題遂行時の課題成績に相関する情報が得られることが判明した。この瞳孔反応は生理的覚醒を反映していると考えられている。つまり、難易度が高く集中を要求される課題を実行する際、それに先立った生理的覚醒のコントロールが、その直後の成績に大きな影響を及ぼしていることを実験から証明した。 2.海外渡航…海外渡航制度を用いて2015年6月後半から現在(2016年3月)までEmotion RegulationとReward and Stressの研究の第一人者である米国Rutgers大学のMauricio Delgado先生の元に長期滞在し、先生のアドバイスの元、本研究を継続している。 3.米国人を用いた予備実験…米国にて実験を行うにあたり、実験課題の難易度や実験時間、成功報酬金額の設定を再度行う必要があった。そこで予備実験を15人の参加者に対して行った。日本で行った場合と比較して多少難易度を低く設定し、また被験者の疲労度の観点から課題試行回数を100回から80回に減らす必要があることが判明した。 4.MRI内での脳機能画像、眼球運動同時計測のための準備…MRI内で使用する眼球運動計測機材はこれまでの行動実験で用いていたものとは異なるものであったため、改めて機材制御と課題刺激提示のためのプログラミングを行った。 5.MRI実験…脳機能画像と眼球運動の同時計測実験を行った。当初はMRI内での眼球運動計測の経験不足、実験刺激プログラミングのトラブル、英語でのインストラクションの失敗、また課題中の参加者の疲労度などの問題などから、安定したデータを取得することができなかったが、問題について改善した後、新たな課題スケジュールで実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度7月から現在まで米国Rutgers大学に長期滞在し研究を行っている。情動系と報酬系の神経基盤を専門とする研究室で日本ではできなかった環境と研究の経験をすることができている。 研究内容に関しては、行動実験の結果について解析を進めたのみでなく、fMRI実験を軌道に乗せる事ができた。来年度初頭にfMRI実験を完了させられる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
5月中にMRI実験を終了させ、解析に専念する。瞳孔反応データとMRIデータの両方を用いて、人間の行動を説明する解析を行う。得られた研究内容に関して学会等で発表する。また、海外滞在先のMauricio Delgado先生と共著の論文を執筆する。
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Research Products
(4 results)