2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J02502
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邊 言也 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 生理的覚醒変化 / 瞳孔ダイナミクス / 扁桃体 / 線条体 |
Outline of Annual Research Achievements |
子供のけん玉遊びからオリンピックの体操の演技まで、達成難度の高い課題に挑戦する際にその人が「心を整え、準備する」ことはその成功の必要条件である。一方で成功報酬への強過ぎる期待やプレッシャーは遂行者の興奮を喚起し、適切な遂行の障害となりうる。よって、課題遂行に先立つ「準備」は外的・内的ノイズを最小限にし、最大限の成績を発揮するために必要な過程である。しかしながら、我々の身体、そして脳は如何にそれを準備しているのだろうか。本研究は課題遂行直前の生理的覚醒(自律神経系交感神経の反応)の制御が如何にその後の課題パフォーマンスに関係しているかを眼球瞳孔の散大収縮反応を用いた生理指標と、fMRIによる脳活動の同時測定により検証するものである。 実験では難度が高く試行毎に高集中が要求されるStop Watch Taskを考案した。この課題ではスタート合図から時計を見ずに5秒ちょうどで時計を止めることが要求された。遂行直前の準備期には成功報酬が提示され、僅かな誤差でストップできればこの報酬が与えられた。 準備期間の瞳孔反応と脳活動を計測し、成功試行と失敗試行に分けてデータ解析した結果、瞳孔のダイナミクスは課題遂行に先立って異なるダイナミクスを持っており、失敗時には成功報酬量に相関して瞳孔が大きくなるに対し、成功時には変化が小さかった。 そこで準備期の脳内における報酬表現にも変化があるか検証した結果、線条体尾状核で成功時に期待報酬表現が減少していた。さらに、生理的覚醒変化に相関した脳活動を検証すると、成功時に扁桃体の活動が有意に低下していた。過去の研究で扁桃体は線条体の活動を修飾していることが報告されていることから、ネットワーク解析を用いて扁桃体と線条体の相互作用を検証した結果、失敗試行では扁桃体が線条体の報酬表現を修飾しているが、それが成功試行では減衰していることが明かとなった。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)