2014 Fiscal Year Annual Research Report
スピノール・ボース・アインシュタイン凝縮体におけるスピン乱流の理論的研究
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14J02524
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 和也 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 量子エレクトロニクス / ボース・アインシュタイン凝縮体 / 超流動 / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)強磁性スピノールBose-Einstein凝縮体(BEC)におけるスピン-超流動乱流、(2)一成分BECにおけるBogoliubov波乱流の研究を行った。 研究(1)では強磁性相互作用をするスピン自由度を持つBECの乱流をスピノールGross-Pitaevskii(GP)方程式を用いて、理論・数値的に調べた。乱流中のスピン場と超流動速度の相関関数の振る舞いに注目したところ、乱流に特徴的な-7/3と-5/3乗則が現れる事を見いだした。速度場の相関関数に現れるべき則は、古典乱流で知られるKolmogorov-5/3乗則と同じべき指数である。しかし、我々はその形成機構にはスピンの空間配位が重要な役割を果たしていることを見いだし、古典乱流とは異なる新奇なメカニズムで-5/3乗則が現れることを明らかにした。 研究(2)では、一成分BECにおける波の乱流について研究を行った。この乱流では、Bogoliubov波が支配的となり、量子渦が支配的な渦の乱流とは異なる性質を示す。本研究では、一成分GP方程式に波乱流理論を適用することで、波動関数、密度分布の相関関数とBogoliubov波の分布を調べ、特徴的な-7/2、-3/2、-5/2乗則を導出した。数値計算においても、これらのべき則が現れることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
polar相、broken-axisymmetry相のスピン乱流、ferromagnetic相のスピン乱流における秩序変数について、申請書通りの研究を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
Bogoliubov波乱流の実験観測に向けた数値計算を行い、適切な実験パラメータを調べる。また、スピノールBECにおけるスピン波乱流を研究し、スピン波に特徴的なダイナミクスを明らかにする。
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Research Products
(7 results)