2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J02598
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒野 悠輝 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子群 / テンソル圏 / 性質(T) / Drinfeld double |
Outline of Annual Research Achievements |
離散量子群の中心的近似性/剛性は, De Commer-Freslon-Yamashitaによって導入されたもので, 量子群の表現圏の近似性/剛性や, 量子群のDrinfeld doubleの近似性/剛性と同値な概念であることが知られている. 量子群の(中心的でない)剛性は中心的剛性を導く. さらに, 表現圏の剛性は, それを表現圏に持つようなsubfactorのstandard invariantの剛性とも同値である. 私は, 今年度, コンパクトLie群のq変形のDrinfeld doubleのユニタリ表現について, Drinfeld doubleと元のLie群の複素化の類似を通して, 研究した. 特にSUq(3)のDrinfeld doubleについては, 既約ユニタリ球表現を分類した. また, これを用いて, nが3以上の奇数であるときに, SUq(n)の双対である離散量子群は従順である(したがって, 性質(T)でない)にもかかわらず, 中心的性質(T)を持つことを示した. これは, 量子群として中心的性質(T)を持つgroup-likeでない初めての例であるとともに, テンソル圏, subfactorから見ても, そのような初めての例である. さらに, これにより, 自由量子群の高階版が性質(T)を持つこともわかる. これは以下の2つの意味で重要である. ・この性質(T)は作用素環・作用素空間的な構造にも深くかかわっている. このような研究は高階版に関する最初の一歩である. ・自由量子群は今まで自由群に似ていると思われていたが, むしろ高階版のアナロジーを見ると, SL(2)の格子に近いと思うべきである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自由量子群のみならず, はるかに難しい高階版に関する性質を示すことにより, 量子群に閉じない応用を含む結論を得るとともに, 自由量子群そのものに対しても何が成り立つべきかについて, 今まで知られていたより詳細なアナロジーに関する考察を得たから.
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Strategy for Future Research Activity |
SUq(n)に関する中心的剛性についての研究を進め, 具体的にはnon-APなどに関して考察する. また, このような性質(T)などを用いて, SUq(n)の作用などに関する剛性についても研究を進める.
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Research Products
(3 results)