2014 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における鉄-軽元素系合金の物性測定とその地球核への応用
Project/Area Number |
14J02713
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂入 崇紀 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 地球核 / 高温・高圧 / 音速・密度 / 内核分別作用 / 温度構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球内部はフロンティアであり、最深部には地球核が存在している。地球核は液体からなる外核と固体である内核で構成されている。また、主成分が鉄であり、そこに軽元素(硫黄、珪素など)が含まれていると考えられている。そこで地球核の解明には、鉄-軽元素系での高温高圧実験が不可欠となる。本研究では、軽元素として珪素と硫黄に着目し、鉄-珪素-硫黄系の融点・相関系の決定、固体鉄-液体鉄間の元素分配実験から、地球核の温度・組成構造を明らかにすることを目的としている。加えて、高温高圧下における鉄-珪素合金の音速-密度を測定し、地震学的な観測データと比較することで地球核の組成に制約を与えることも目的である。
兵庫県にあるSPring-8のBL10XUビームラインで鉄-珪素-硫黄系の融解実験を行った。試料からのX線回折パターンの消失から融解を判定し、60GPaの圧力条件下までの融解関係の解明に成功した。本研究結果は地球以外の惑星にも適用可能であり、水星や火星の温度構造や核形成プロセスの解明につながる極めて重要なものである。BL35XUビームラインでは非弾性X線散乱を用いて、鉄-珪素合金の音速測定を80GPa、2500Kまでの条件下で行った。この結果と純鉄を比較することで、珪素が鉄の弾性的性質に及ぼす影響を定量的に議論することが可能になり、地球核の組成の制約につながることが期待される。 鉄-珪素-硫黄系の固体鉄-液体鉄間の分配に関しては、150GPaまでの圧力条件下で実験をしており、珪素は固体、硫黄は液体中に分配されることが明らかになった。このことは、固体である内核に珪素、液体である外核に硫黄が選択的に分配され、地球核中において、組成差が生まれることを意味している。極めて重要な成果であるため、国際誌の「Geophysical Research Letters」に投稿し、現在改定作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の目的である地球核の温度構造、組成構造の解明に向けて、着実に高圧高温下での実験データを取得できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる高温高圧条件下でのデータを取得することにより、研究の重要性を強化し、国際誌への投稿準備を進める。
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