2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会的制約を考慮したロボット用音声対話システムの実現
Project/Area Number |
14J02714
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 貴昭 大阪大学, 産業科学研究所, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 音声対話システム / ヒューマノイドロボット / 非言語情報の利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットの状態とユーザから得られる情報を利用したロボット用誤動作回避システムの構築を行った.特に,今年度はロボットのカメラ画像から得られる画像情報を取得するモジュールを作成し,システムに組込んだ.さらに,ユーザの顔画像から,ユーザが発話中か否かを判別するモジュールを実装した.これにより,例えば,周囲の雑音が大きい時に,画像情報からユーザがロボットに話しかけたか否かを判別できるようになった. 今年度の成果により,社会的制約を利用したロボット用音声対話システムの基本的なモジュールの実装が完了した.ユーザ側から得られる情報として,ロボットのマイクから得られる音響情報とカメラから得られる画像情報を取得できるようになった.ロボット側から得られる情報として,ロボットの関節角度に関する情報やその他のログ情報を取得できるようになった.これらの情報を利用すれば,ユーザとの対話中に,ロボットが状況認識を行うことができる.例えば,ロボットへの入力音に対する応答すべきか否かの判断に利用可能である. 今後は,まずより雑音に頑健な音声対話を実現するために,入力音判別モジュールの高精度化を行う.その後,研究計画に基づき,ロボットの状態とユーザから得られる情報の最適な統合方法を検討し,ロボットにとって不都合なユーザの挙動の抑制を目指す.評価実験では,一般ユーザを対象に被験者実験を実施することを検討している.これにより,社会的制約が受動的・能動的に利用できることを示す.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画では,話しかけやすさを予測するシステムと入力音判別システムを統合したロボットの誤動作回避システムの構築を目標としていた.このシステムは,平成26年度中に構築することができたため,おおむね順調に進展していると判断した.一般ユーザを対象とした被験者実験は実施できなかったが,今後実施予定である.また,平成26年度の成果を論文誌や国際学会へ投稿する予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,まず平成26年度の成果を論文誌や国際学会に投稿する予定であり,現在執筆中である.また,平成26年度に構築したロボット用対話システムを利用し,対話実験を進める.具体的には,まず対話中の誤動作回避に利用し,社会的制約が誤動作回避に利用可能であることを示す.入力音判別システムのみの誤動作回避より,本手法によるシステムの方が高精度に誤動作回避できることを確認し,ロボットの誤動作が削減できていることを示す. その後,社会的制約が能動的に利用できることを明らかにする.能動的とは,以降のインタラクションでのロボットの行動生成に用いることである.例えば,ロボットが話しかけられたくない状態でユーザに話しかけさせないように,ロボットが話しかけにくい動作を生成することである.そこで,システムにとって不都合なユーザの挙動を抑制するシステムを構築する.誤動作回避システムはユーザ発話か否かを単に予測するのみであるのに対し,このシステムでは,システムの状態によりユーザの挙動を実際に抑制できるかどうかを被験者実験を通じて検証する.
|
Research Products
(4 results)