2014 Fiscal Year Annual Research Report
iPS化技術を用いた慢性骨髄性白血病幹細胞分画におけるイマチニブ耐性機構の解明
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14J02953
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮内 将 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | CML幹細胞 / iPSCs |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、慢性骨髄性白血病(chronic myelogeous leukemia:CML)患者由来の人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells:iPSCs)を用いたCML幹細胞のイマチニブ耐性機構解明である。CML-iPSCsより血液分化誘導した血液細胞のうちCD45陰性CD34陽性CD43陽性のpre-hematopoietic progenitor cells:pre-HPCsおよびCD45陽性CD34陰性のdifferentiated cells:DCsについては、Normal-iPSCs由来血液細胞の同じ分画と比較し細胞増殖能が高いこと、CML-iPSCs由来pre-HPCsはイマチニブ曝露下においても緩徐な増殖を認めること、CML-iPSCs由来pre-HPCsはイマチニブ非曝露下と曝露下の条件を比較してapoptosis誘導能に有意な差を認めないことを見出した。 これらの結果から、CML-iPSCs由来pre-HPCsがイマチニブ耐性機構を有していると考え、CML-iPSCs由来pre-HPCsおよびDCsとNormal-iPSCs由来pre-HPCsを比較してマイクロアレイ法を用いて網羅的遺伝子解析を行ったところ、CML-iPSCs由来pre-HPCsにおいてイマチニブ曝露時に発現が上昇し、normal-iPSCs由来pre-HPCsおよびCML-iPSCs由来DCsにおいてはイマチニブ曝露時に発現が低下する遺伝子Aを抽出した。この遺伝子Aは既に報告されているCML患者検体の幹細胞分画(CD34陽性CD38陰性)のマイクロアレイデータにおいて、前駆細胞分画(CD34陽性CD38陽性)と比較して発現が上昇していることを確認した。この遺伝子Aの追加評価の為ノックダウンベクターの作成行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CML-iPSCsより分化誘導したpre-HPCsにおいて、細胞増殖能およびapoptosis誘導能の両面でイマチニブ耐性であることを見出した。また、マイクロアレイ法による網羅的遺伝子発現解析から、イマチニブ耐性を示すpre-HPCsにおいて発現が上昇している遺伝子Aを抽出し、当初の予定通り遺伝子Aに対するノックダウンベクターを作成した。これらは年次計画の通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子Aについて既報のBCR_ABL陽性イマチニブ感受性細胞株(KCL22, KU812)とイマチニブ耐性細胞株(KCL22SR,KU812SR)を準備しており、遺伝子Aについてノックダウンおよび遺伝子導入を行ってイマチニブ感受性に変化を認めるかを確認する。細胞株における遺伝子導入の結果が確認されたのち、マウス骨髄へのBCR_ABL遺伝子導入骨髄移植モデルを用いて生体内での遺伝子Aの効果を解析する。
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Research Products
(5 results)