2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14J03085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 朋子 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 国際法 / 国際投資法 / 国際人権法 / 精神的損害 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、当初の計画どおり、8月にハーグ国際法アカデミーの研究調査センター及び平和宮図書館において約1か月にわたる調査研究活動を行った。国際法アカデミアの世界において世界的に高名な同アカデミー主催のプログラムに選抜を経て参加し、各国から集まった優秀な若手研究者らとの討議を通じて研究主題についての見識を深めた。研究成果は、同アカデミー発行の論文集に掲載される予定である。 第二に、国際シンポジウムやセミナーで研究成果の報告や海外研究者との意見交換を行研究報告を行った。これは現在の研究の核をなす重要な主題であり、各国から集まった様々な年齢層の研究者や実務家と意見交換を行い、研究上の示唆を得た。研究成果は論文としてまとめ、海外の国際投資法専門の査読誌に投稿する予定である。つぎに、アイルランド国立大学ゴールウェイ校のアイルランド人権センターにおいて開催された研究集会に参加した。各国から国際法学者や弁護士だけではなく、社会学者や哲学者など分野横断的に集まった研究集会であり、研究報告を行った。この研究成果は同センターから刊行される論文集に掲載される予定である。このほかにも、神戸大学や立命館大学など国内で開催された国際シンポジウムや、京都大学の国際法研究会や東京の判例事例研究会などに参加し、研究報告の機会を得たことで、他の研究者との意見交換を通じて研究上の示唆を大いに受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度完成させた博士論文『外交的保護の理論と実際』を基礎に、本年度から本格的に投資紛争における損害と責任についての研究に取り組み始めた。結果として、アジア国際法学会で報告の機会を得るなど、来年度以降に投資法分野で研究成果を発表するための素地が整いつつある。また、アウトリーチ活動にも積極的に取り組みながら、博士論文の未刊行部分を論文として公表するための作業も着実に進めており、特別研究員としての一年目を充実した形で過ごすことができたと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、博士論文の公表へ向けた取り組みとして、個別の論点に細分化して論考として公表する準備を進めている。平成28年度前半にある各種の日本語の査読誌の締切に合わせて作業を行っている。 第二に、平成27年度と同様に平成28年度も国内外を問わず研究集会やシンポジウムでの研究報告の機会を得るべく、積極的に公募報告への応募を行っている。
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