2014 Fiscal Year Annual Research Report
半極性面窒化物半導体を用いた発光デバイスに関する研究
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14J03143
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
久志本 真希 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 半極性窒化物半導体 / Si基板上レーザー / 縦モード |
Outline of Annual Research Achievements |
加工Si(001)面基板上への半極性面レーザダイオード(LD)の実現に向けた取り組みとして、今年度はInGaN/GaN多重量子井戸構造をアンドープGaN導波路層およびAlGaNクラッド層で挟んだレーザ構造を作製した。選択成長技術を結晶の高品質化には成功したが、選択成長時に発生した組成および構造不均一が発生していた。これにより結晶内に様々な共振器が作製作成されることでこれまで明確なレーザ発振特性を得ることができなかった。そこで、一般的に使用するガスとは異なるガスによる低速ICPエッチングを考案し、幅2ミクロン程度の上部AlGaNクラッド層を除去したリッジ構造を作製し、横モードの制御を行った。その結果窒素レーザによる高密度光励起により、高次の横モードを示す周期的な発光パターンがNFP像により観測された。高分解能分光器を用いて誘導放出光のスペクトル測定を行ったところ、明確なレーザ発振を示す縦モードの観測に初めて成功した。特にSi基板上の窒化物系で、縦モードの観測に成功したのは世界初であり、この結果をApplied physics expressに投稿した。特筆すべき点は従来のSi(111)面ではなく、LSIに用いられているSi(001)面であり今後の光ICなどへの応用が期待できる点と、従来のGaNのc面ではなくよりデバイス特性がよくなると期待されている半極性面上であることである。更に長波長化を目指して共振器構造の構造改善を行い、従来に比べて長波長の発振に成功した。更に赤色までの長波長化をめざし高In組成InGaNの作製を行い、ボイドの発生を抑えたInGaN薄膜、量子井戸構造の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界初のSi基板上窒化物半導体LDの作製に向け、リッジ構造の作製により縦モード、横モードを示す明確なレーザー発振を観測した。長波長化に向けた共振器構造の改善により従来より長波長の発振に成功した。赤色発光の高In組成InGaNの作製を行い、ボイドの発生を抑制した赤色InGaN膜の成長に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
世界初のSi基板上窒化物半導体LDの作製に向け、電流注入構造を作製するため縦型横型のプロセスを検討し作製する。更なる長波長化をめざしInGaNバッファー層を導入した共振器構造の作製や最適な光閉じ込めを持つ共振器を作製する。赤色などの高In組成InGaNの更なる高品質化を目指し成長条件や構造を検討する。
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Research Products
(4 results)