2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J03154
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
安本 真士 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 離散微分幾何学 / 離散曲面 / 半離散曲面 / Weierstrass型の表現公式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の課題に取り組んだ。 1. Weierstrass型の表現公式を用いた、3次元ド・ジッター空間内の離散平均曲率一定1曲面を含む離散Bianch型線形ワインガルテン曲面の解析(神戸大学 Wayne Rossman氏との共同研究) 2. 3次元ユークリッド空間内の半離散平均曲率一定回転面の構成およびその平行曲面の解析。またその一般化である、与えられた平均曲率を持つ半離散回転面の構成 3. 3次元ミンコフスキー空間内の半離散平均曲率一定回転面の構成および現れる特異点の解析(ウィーン工科大学 Christian Mueller氏との共同研究) 4. Weierstrass型の表現公式を用いた、回転対称性を持つなめらかな平均曲率一定曲面の構成(神戸大学 近内翔太郎氏、バーティン大学 Erhan Guler氏との共同研究) 1.について、当初の予定では、可積分系の変換理論を離散双等温曲面に応用することでWeierstrass型の表現公式を導出する予定であったが、離散平均曲率一定1曲面を含むより一般のクラスに対してWeierstrass型の表現公式を与えることができた。2.、3.については生成曲線がなめらかな場合は、通常の平均曲率一定曲面の生成曲線と一致することがわかり、明示的にパラメータ表示を得ることができた。また4.で得られた曲面のうち3次元ミンコフスキー空間内のいくつかの平均曲率一定零曲面に関してはいくつかの代数的性質を計算ソフトを用いて示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績1.でも述べた通り、3次元ド・ジッター空間内の離散平均曲率一定1曲面を含むより広いクラスの離散曲面に対するWeierstrass型の表現公式を用いることでさまざまな離散曲面に現れる特異点の解析を行うことができたのは望外の結果である。一方、今年度取り組む予定であった3次元双曲空間内の半離散平均曲率一定1曲面に対するWeierstrass型の表現公式の導出に関しては、先行研究の理論が可積分系理論と上手く適合しなかったため順調に進めることができたとは言い難い。研究全体としては、当初の計画にはない問題にも取り組むことができたことを踏まえると、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の予定であった3次元双曲空間内の半離散平均曲率一定1曲面に対するWeierstrass型の表現公式の導出に引き続き取り組む。最近、Burstall氏、Hertrich-Jeromin氏、Mueller氏、Rossman氏によって半離散双等温曲面の理論が可積分系理論と相性がよくなるように再構築されたので、氏等の理論を用いることで課題の解決を目指す。同様に3次元ド・ジッター空間内の半離散平均曲率一定1曲面に対するWeierstrass型の表現公式の導出も行うが、研究実績1.でも述べたことを踏まえるとより一般の半離散曲面に対してWeierstrass型の表現公式を導出できる可能性があるので、その可能性を見据えて研究を遂行していく。研究遂行のため、ウィーン工科大学へと渡航し、関連する研究者と議論を行う。
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