2016 Fiscal Year Annual Research Report
分子内配位結合を鍵骨格にもつ有機太陽電池のための色素材料の開発
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14J03287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下河 広幸 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | π共役 / 機能性材料 / 有機色素 / ホウ素 / 分子内配位結合 / 電子需要性 / クロミック現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、独自に開発したBF2架橋ジピロリルエタンジオン骨格の効率的な合成法を見出した。また、ジチエニルベンゾチアジアゾールに対して2つのジメシチルボリル基を導入した化合物が分子内B-N配位結合の可逆的な形成に基づき、溶媒の温度や固体状態のパッキング力に依存してクロミック現象を示すことを見出した。 (1)BF2架橋ジピロリルエタンジオン骨格の効率的な合成 独自に開発したBF2架橋ジピロリルエタンジオン骨格は著しく高い電子受容性を示すため、さらなるπ拡張により様々な機能性材料への展開が可能になると考えられる。しかしながら、これまで、その効率的な合成法を確立できていなかった。そこで本年度は、本骨格の効率的な合成法を確立すべく、合成条件の探索を行った。探索の結果、ジピロリルエタンジオン誘導体を嵩高い2,6-ジ-tert-ブチルピリジンを塩基として用いてBF3・OEt2とTHF還流下で作用させると、目的物の収率は62-83%と著しく向上することがわかった。 (2)分子内B-N配位結合の可逆的な形成に基づくクロミック材料の開発 分子内B-N結合を形成しうる新たな骨格として、ベンゾチアジアゾール骨格に2つのジメシチルボリル基を導入した化合物1を設計・合成し、1が分子内B-N配位結合の可逆的な形成と開裂に基づくクロミック現象を示すことを見出した。光物性測定や、X線構造解析、理論計算の結果、1では嵩高いホウ素置換基と分子内B-N配位結合の形成により生じるひずみに由来して、溶媒や温度、固体中でのパッキング力などに依存して、分子内B-N配位結合が可逆的に形成・開裂することがわかった。1は、分子内B-N配位結合の形成・開裂によりπ電子骨格の電子構造が大きく変化することを反映して、これら外部刺激に応答してソルバトクロミズム、サーモクロミズム、メカノクロミズムを示すことを明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)