2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J03554
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 泰之 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | バイオマス / カルボン酸 / 水素化 / アルコール / レニウム / パラジウム / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究にて,バイオマス由来カルボン酸の一種であるステアリン酸の水素化反応においてReOx-Pd/SiO2触媒が特に有効であり,温和な条件下で高活性か高アルコール選択的であることを報告している(Catalysis Science & Technology, 2 (2012) 2221-2223).今回,この触媒の構造解析と反応機構の解明,そして課題である触媒安定性の改善を目的とした. 結果として,触媒上のRe種の一部が2~3 nmの高分散したメタル状態であり,このメタルが活性に寄与していることが示唆された.また,この結果を踏まえて,再利用試験を行った.それまで,空気中処理による触媒の再利用試験を行っており,この方法では活性が最初の半分程度まで減少してしまっていた.この再利用後触媒のXRDを行うと,活性に寄与するReメタル種が大きく減少しており,これが活性低下の原因であると考えられる.そこで,Reメタルが酸化されないように再利用操作を窒素雰囲気下で行った.その結果,活性低下を起こすことなく再利用が可能となった. これらの研究結果について,現在論文を執筆中である.その他にも,バイオマス由来カルボン酸の一種である乳酸の水素化用触媒として有能なRu-MoOx/SiO2やアミノ酸の水素化反応に有効な触媒であるRh-MoOx/SiO2について,反応特性や触媒のキャラクタリゼーションを行った.これらの研究については3報学位論文を発表している.また,国内学会や国際学会に積極的に参加し,口頭発表3回,ポスター発表1回を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで課題であった触媒構造の解明や触媒の再利用に成功した.これらの結果を国際学会および国内学会にて発表しており,また学術論文を現在執筆中であるため,研究は順調に進展していると考えます.
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Strategy for Future Research Activity |
基質を変え,バイオマス由来カルボン酸の一種であるコハク酸から1,4-ブタンジオールへの水素化反応を高収率で行う触媒を開発する.コハク酸はカルボキシル基を二つ持つジカルボン酸であるため,触媒や反応条件の見直しが必要である.具体的には,添加金属の変更や水素解離能力の高いCo,Niなどの第三金属の添加,担体として活性炭などの高表面積担体を用いた活性点の分散化,触媒還元方法の変更などが考えられる.また,最適化された触媒については種々のキャラクタリゼーションを行い,触媒構造と反応機構を明らかにする.
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Research Products
(7 results)