2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J03566
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山元 啓司 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | タンタル / 2核 / アルキン / 環化3量化 / 反応機構 / [4+2]環化付加 |
Outline of Annual Research Achievements |
遷移金属錯体を用いた触媒反応の開発は、副生成物の生成を最小限にし、環境負荷を低減するアトムエコノミカルな有機合成の実現に必須であることから、絶え間ない研究開発が行われている重要な研究分野である。これまでにパラジウムやロジウム等の貴金属を用いた触媒反応が多く開発されてきたが、元素戦略的観点から卑金属を触媒成分とする反応の開発が求められている。 私は卑金属である前周期遷移金属の 2 核錯体の合成と触媒機能の開発を研究テーマとして研究を進めた。5 族金属であるニオブやタンタルの塩化物を用いた触媒系により、アルキンの[2+2+2]環化 3 量化反応が進行することがこれまでに報告されていたが、触媒活性種の同定を含めた反応機構に関する詳細は解明されていなかった。私はアルキンが配位したタンタル単核錯体を原料とし、メタラシクロペンタジエン構造を有するタンタル 2 核錯体を合成した。メタラシクロペンタジエン錯体はアルキンの環化3量化反応の中間体として考えられており、2核構造にすることにより、メタラシクロペンタジエン構造を安定化することができた。さらにメタラシクロペンタジエン錯体に対してアルキンを反応させると、6員環形成反応が進行し、対応するアレーン環がタンタル2核中心に配位した錯体を得ることに成功した。生成した錯体の分子構造は単結晶X線結晶構造解析により行った。アレーン環が配位した錯体の分子構造から、メタラシクロペンタジエンとアルキンの反応は[4+2]型の環化付加形式で進行していることが明らかとなった。アルキンの分子間環化3量化反応において[4+2]型の環化付加形式を実験的に観測したのは本研究が初めてである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、前周期遷移金属を有する2核錯体の合成に成功し、さらに触媒反応や反応機構の解明に関する研究を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前周期遷移金属を含む様々な錯体の合成を進める。これまでの研究で、2核構造をメタラシクロペンタジエン骨格を用いて構築する手法に関する知見が得られたことから、同種の金属のみならず、異種の金属を組み合わせた錯体触媒の構築を進めたい。
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Research Products
(4 results)