2015 Fiscal Year Annual Research Report
金星電離大気流出成分及び流出量の太陽風変動依存性の解明
Project/Area Number |
14J03613
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
益永 圭 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 金星 / ひさき / EXCEED / 極端紫外 / 大気光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年9月に打ち上がったひさき衛星は、極端紫外分光器Extreme Ultraviolet Spectroscope for Exospheric Dynamics(EXCEED)を搭載している。ひさきの科学目的の1つは、EXCEEDで金星超高層のプラズマや大気からの光をモニターすることで、金星と太陽風の相互作用により発生する熱圏・電離圏大気の密度変動や大気流出機構を理解することである。 ひさきはこれまで5期間にわたって金星を断続的に観測してきた。2014年には、ひさき衛星の観測により、金星超高層大気で発光する酸素I(130.4 nm及び135.6 nm)や酸素II(83.4 nm)の発光強度に特徴的な周期性があることが明らかになった。特に、金星朝側の観測で見つかった強い4日周期の変動は金星中層大気から伝播した大気重力波による酸素原子密度変動の影響である可能性が提唱された。この仮説をより明確にするため、2015年の5月-7月に金星の夕方側を、9月-11月に金星の朝側の大気光観測を行った。その結果、金星の夕方側では強い4日周期は観測されず、朝側でのみ4日周期が観測されることが分かった。これは金星の朝側でのみ大気重力波が熱圏まで伝播し、砕波していることで起こる熱圏酸素の密度変動が原因である可能性がある。この結果は先行研究で提唱されている数値計算結果とも整合しており、金星の中層大気と超高層大気をつなぐ重要な観測結果であると考えられる。今後はあかつきの中層大気観測との比較を行うことで、金星中層大気で生まれた重力波が金星熱圏へ与える影響をより理解できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年の観測結果から提唱された仮説をより強めるため、2015年に金星大気光の朝夕両方の観測を行い、周期変動の比較を行うことに成功した。2014年の成果はすでに国際誌に報告され、2015年の観測成果の報告を現在準備中である。そのため、計画はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのひさき衛星の金星超高層の大気光観測により、特徴的な周期変動があることが分かった。特に、4日の周期変動の要因は金星中層大気からの重力波伝播が原因であると考えられる。今後は酸素だけでなく他の輝線の周期解析や、あかつきとの協調観測によって、より詳細な観測的実証を目指す。 また、大気光の他に、当初から予定していた金星テイルからの流出イオンの検出を目指し、解析を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Periodic variations of oxygen EUV dayglow in the upper atmosphere of Venus: Hisaki/EXCEED observations2015
Author(s)
K. Masunaga, K. Seki, N. Terada, F. Tsuchiya, T. Kimura, K. Yoshioka, G. Murakami, A. Yamazaki, M. Kagitani, C. Tao7, A. Fedorov, Y. Futaana, T. L. Zhang, D. Shiota, F. Leblanc, J. -Y. Chaufray and I. Yoshikawa
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Journal Title
Journal of Geophysical Research, Planets
Volume: 120
Pages: 2037-2052
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 火星バウショック上で観測される酸素イオンビーム生成メカニズム2016
Author(s)
益永 圭, 関 華奈子, D. A. Brain, X. Fang, Y. Dong, B. M. Jakosky, J. P. McFadden, J. S. Halekas, and J. E. P. Connerney
Organizer
太陽惑星系宇宙プラズマ中の重イオンに関する研究集会
Place of Presentation
名古屋大学(愛知県名古屋市)
Year and Date
2016-01-27 – 2016-01-28
Invited
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