2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代蛍光性フォトクロミックジアリールエテンの合成
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14J03652
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇野 何岸 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | DNA染色 / バイオーメージング / シアニン色素 / Turn-On 蛍光スイッチ / 蛍光性ジアリールエテン / 超解像顕微鏡 / 核染色 / 近赤外発光色素 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用前研究室で当時発展させてきた蛍光性ジアリールエテンを超解像顕微鏡バイオイメージングに応用させるべく研究に着手した。様々なジアリールエテン誘導体を合成し、その光物性を明らかにすると共に細胞の染色挙動についても検討した。その結果、ジアリールエテンの細胞毒性の高さや細胞透過性、蛍光量子収率の低さが問題となることがわかった。そこで私は細胞のイメージングに頻繁に用いられている、核酸を高感度で染色可能な色素として知られる非対称シアニン色素に着目した。 この分子現在は超解像顕微鏡、DNAのピコグラム定量、生細胞のライブイメージング等幅広い範囲に応用されている。様々な置換基を有するシアニン色素を約100種類合成し、その染色挙動を共焦点顕微鏡、吸収/蛍光スペクトルで評価した結果した。スクリーニングした結果、ジメチルアミノ基がこの既存の非対称シアニン色素分子群のDNAの染色感度を大幅に向上させる事が分かった 。 また共焦点顕微鏡を用いた実際の細胞染色においては、細胞透過性が優れているだけでなく、超解像顕微鏡に必要とされる蛍光スイッチ機能も有していることが分かった。
以上の成果は2015年の日本化学会の口頭発表で既に報告しており、現在論文執筆を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採用当時は蛍光性フォトクロミックジアリールエテンを用いたバイオーメージングを行うつもりだったが、現在研究の途中で見出した非対称シアニン色素の研究に着手している。 本研究で発見した一連の分子群は、ジアリールエテンと比較すると蛍光スイッチの効率は劣るが、高い光安定性、高い組織選択性、高い蛍光量子収率を有していおり、非常に実用的な色素分子であることが分かった。 当初の計画より若干遅れを取っているが、約一年間で新しい分子群の発見、物性評価そして論文執筆まで行った。 以上より、研究の達成度は「おおむね順調に進展している」と評価できると分類ができる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究予定として、論文執筆に集中する予定である。 論文投稿後には、合成した色素群をさらに近赤外発光を示し、生細胞の核染色を可能な色素の合成に集中する予定である。また合成した合成した分子はこれまでと同じように、生細胞を用いたイメージングに加え蛍光/吸収スペクトルを用い評価を行って行く。
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Research Products
(3 results)