2015 Fiscal Year Annual Research Report
多自由度クローラ型移動ロボットの不整地斜面走破性向上による広域火山探査の実現
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14J03767
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 元貴 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 自己位置推定 / 不整地走破性 / 多自由度クローラ型移動ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
日本は,数多くの火山を有する火山大国であり,これまでにも,火山噴火により発生する火砕流や,噴火後の降雨により発生する土石流などにより,甚大な被害がもたらされてきた.このような火山噴火による被害を軽減させるためには,活動期に入った火山の状況を把握することが非常に重要である.そこで,ロボット技術を活用した広範囲な火山の探査観測が期待されている.ここで,地表を移動するロボットによる火山探査を考えた場合,移動ロボットの自己位置推定性能および走破性能が課題となる. 本研究では,火山に代表される軟弱な不整地斜面での走破性向上による広域火山探査の実現を目的として,(1)多自由度クローラ型移動ロボットの開発,(2) 滑りに頑強な自己位置推定手法の構築,(3)軟弱斜面上での走行制御手法の構築について研究開発を行うこととした. 平成27年度には,(1),(2),(3)について,並行して研究開発を行った.その結果,(1)多自由度クローラ型移動ロボットの開発は完了し,屋内外の軟弱斜面フィールドにて走行試験を行い,(2),(3)の研究を進める上で,必要な性能を満たしていることを確認した.(2)多自由度クローラ型移動ロボットの開発については,クローラ型移動ロボットの軟弱斜面において発生する縦滑りに関するモデルを構築し,このモデルと光学センサを(1)で開発したロボットに組み込み,縦滑りに頑強な自己位置推定手法を構築した.(2)の成果については,2016 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systemsに投稿した. (3) 軟弱斜面上での走行制御手法の構築に関しては,(1)と並行して,ロボットが姿勢を変化させた場合における軟弱斜面での滑りの挙動について,実際の活火山である伊豆大島の三原山にて評価を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述した通り,クローラ型移動ロボットの開発は完了し,実環境での走行試験を行った.また,自己位置推定手法に関しては,縦滑りモデルに基づく光学センサを用いた位置推定手法を提案し,有用性を評価した.位置推定手法については,今後,斜面走行時の横すべりも考慮したモデルを構築する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の前半に,横すべりを考慮した位置推定手法を構築し,クローラ型移動ロボットに組み込む.また,並行してロボットの冗長な自由度を駆使した姿勢変化による走行性能向上手法を構築し,評価を行う.
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