2016 Fiscal Year Annual Research Report
深層海水の環境復元に関する新規プロキシとしての宝石サンゴ骨格中微量元素の研究
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14J03797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 健太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 宝石サンゴ / 深層海水 / 炭酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は水深200 mと600 mから採取した宝石サンゴの微量元素を測定した.骨軸の微量元素含量が海水環境(水温,pHや栄養塩)を反映するかを検証するため,これまでに測定した宝石サンゴ(水深400 m)のデータと比較した.水深200 mから採取された試料のBa含量は400-600 mから採取された宝石サンゴのよりも低い値を示した.海洋中の溶存Ba濃度は水深とともに高くなる栄養塩型のプロファイルを持つ.宝石サンゴ骨格のBa含量が海水中の溶存バリウム濃度によって規定されるとすると,宝石サンゴ骨軸のBa含量は栄養塩濃度を反映する可能性が示唆された.その他の元素(ホウ素,ナトリウム,ストロンチウム,ウランなど)についても水深が異なるサンプルで比較し,海洋環境との関連性を検証した. 本年度は宝石サンゴ骨格の炭素・酸素同位体比を測定した.海洋生物が形成する炭酸カルシウム骨格の酸素同位体比は水温と塩分の指標となりうる.水深400 mから採取した個体の炭素・酸素同位体比は2‰程度のばらつきを示した.年間を通じて水温・塩分がほぼ一定の環境で生育した個体で炭素・酸素同位体比のばらつきが認められたことから,宝石サンゴの炭素・酸素同位体比は水温・塩分以外の影響(例えば成長速度など)の影響を受ける可能性が示唆される. NanoSIMSを使った宝石サンゴ骨格の化学分析で利用する標準物質として,炭酸カルシウムの結晶を無機的に合成した.ケイ酸塩ゲル内で合成を進行させることで,結晶の成長速度を小さくした.合成したCaCO3結晶に微量元素が均質に分布しているかNanoSIMSを使って検証した.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)