2014 Fiscal Year Annual Research Report
Paenibacillus xylaniclasticusの植物細胞壁分解機構
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14J03816
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
市川 俊輔 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 特別研究員(DC2) (50781118)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー / セルロース系バイオマス / Paenibacillus |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオリファイナリーのコンセプトを達成させるためには、セルロース系バイオマスの分解・可溶化を効率化させることが不可欠である。本研究では、セルロース系バイオマスを効率よく分解できる細菌Paenibacillus xylaniclasticusのバイオマス分解機構を解明することを目的としている。 P. xylaniclasticusのバイオマス分解能に重要な遺伝子を単離するため、遺伝子破壊系の確立を目指した。Bacillus属細菌の研究より確立されているトランスポゾンを利用すること考え、そのためのプラスミドDNAを取得した。プラスミドDNAの導入方法には、Paenibacillusでの成功例を引用した。現在導入の条件について検討している。さらに、プラスミドDNAの導入株を選択するために、スクリーニング系を確立した。これまでの同様な系では可溶化した精製セルロースが利用されてきたが、本研究では、セルロース系バイオマスを唯一の炭素源として増殖できる株のみを検出できる系を確立できた。この系で増殖できない遺伝子破壊株を単離することで、バイオマス分解能を欠損した株を取得できることが期待できる。 P. xylaniclasticusはバイオマス分解酵素複合体を形成する。この酵素複合体は高分解活性を示すことが知られているが、その複合体形成機構は明らかになっていない。本研究では酵素複合体の構成タンパク質を質量分析法にて同定することを試みている。これまでに複合体形成に関わっていると予想される2つのバイオマス分解酵素の同定に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子を破壊する方法は、セルロース系バイオマス分解細菌の特徴を明らかにするために有力な手段であるが、これまでに確立ができていないため、やや遅れていると評価した。多くの条件を試すことで、遺伝子破壊の方法の確立を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
変異誘導剤を利用することでセルロース系バイオマス分解能を欠損したPaenibacillus xylaniclasticusを単離し、その原因遺伝子を同定することで、分解能に重要な遺伝子を明らかにする。 バイオマス分解酵素複合体の構成タンパク質を明らかにすることで、分解酵素複合体形成機構を明らかにする。分解酵素複合体を形成できない株を作成し、バイオマス分解能を評価することで、分解酵素複合体の重要性を明らかにする。
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