2014 Fiscal Year Annual Research Report
関係訓練を応用したセルフコントロール支援の開発および日常般化への効果検討
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14J03824
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上村 碧 早稲田大学, 人間科学学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | セルフコントロール / 児童生徒 / 応用行動分析学 / 関係フレーム理論 / 発達支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、セルフコントロールを関係反応の観点からとらえなおし、効果的なセルフコントロールの支援方略を提案するために、定型発達の児童を対象に(1)セルフコントロールと関係づけの関連を検討する研究および(2)関係反応の訓練技法の開発を実施した。 (1)においては、ボタン押し課題によるセルフコントロール力の測定と、PCを用いた時間関係と比較関係の関係づけのテスト(推論テスト)を行い、両者の関連性を実験的に検討した。その結果、セルフコントロールと関係づけの間に関連性が示された。これらの結果から、時間関係と比較関係の複雑な関係づけが、児童のセルフコントロールの基盤となることが示唆された。一方で、(1)の研究手続きでは、両者の機能的関係性を示すことはできていない。機能的関係性を示すためには、関係づけの訓練によってセルフコントロールが変化することを示す事が求められる。ところが、時間関係の関係づけの訓練技法は未だ報告されておらず、比較関係の関係づけの訓練も日本において実施された報告はない。そのため、(2)においては、(1)の研究結果や先行研究をふまえて時間関係と比較関係の関係づけの訓練技法を開発し、(1)で複雑な関係づけが示されなかった児童を対象にそれらを訓練することによって、その手続きの効果を検討した。(2)の研究は、平成27年度も引き続き継続中である。 今後は、効果的なセルフコントロールの支援技法を提案に向けて、平成27年度は発達障害児を対象にセルフコントロールと関係づけの関連を検討し、さらに、関係づけの訓練がセルフコントロールの向上に及ぼす効果の検討を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成度については、当初の予定通り研究が進行している他、概ね仮説通りの結果が得られている。そのため、おおむね順調に進展していると言うことができる。一方で、学会誌への採択が決定していないため、研究成果の積極的な執筆・投稿が急務である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、時間や比較の複雑な関係づけが示されない学校適応が困難な児童を対象に、関係づけを訓練することがセルフコントロールに及ぼす効果の検討をする。それらによって、関係づけとセルフコントロールの間の機能的関係の同定や、セルフコントロールを関係反応の観点から整理する生態学的な妥当性を検証する。
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Research Products
(5 results)