2015 Fiscal Year Annual Research Report
関係訓練を応用したセルフコントロール支援の開発および日常般化への効果検討
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14J03824
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上村 碧 早稲田大学, 人間科学学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | セルフ・コントロール / 関係反応 / 言行一致訓練 / 児童 / 関係訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
時間と比較の関係反応とセルフ・コントロールの関連を調べるために,児童を対象とした研究を2つ(研究3,研究5)実施した。2つの研究ともに,学校での適応に困難を抱える児童が通う,通級指導教室において実施した。 研究3では,児童33名を対象に,時間と比較の関係反応(派生的関係反応,刺激機能の変換)の獲得の有無による,セルフ・コントロールの差を検討した。実験は全て終了し,仮説通りの結果(関係反応を獲得している児童は,セルフ・コントロールが高い)が得られた。これらの結果から,時間と比較の関係反応が,児童がセルフ・コントロールを学習する上での基礎的なスキルとなることが考察された。言い換えると,従来の言行一致訓練の手続きだけでなく,関係性の学習そのものをターゲットにした支援手続きを含めることが,セルフ・コントロールの支援において重要である可能性が示された。 研究5は,研究3において,各関係反応が示されなかった児童11名を対象に,介入研究を実施中である。研究4において考案した手続き(関係訓練)を用いて,児童に各関係反応を獲得させることによるセルフ・コントロールへの効果を検討する。より具体的には,介入群と統制群を設定し,従来の支援技法である言行一致訓練のみを実施した場合と,言行一致訓練に関係訓練を加えることの効果の差異を検討する。研究5は,現在実験を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した通りの進度で研究が進展しているため。また,研究の結果も,仮説通りの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究5を引き続き実行し,セルフ・コントロール支援に対する関係訓練の有効性を多面的にとらえる。研究5が終わり次第,研究1〜研究5で得られた知見を,他の分野における先行知見とも統合して考察し,子どものセルフ・コントロールの学習に対して,この一連の研究から明らかになったことを整理する。そして,本研究で未だ明らかになっていない点と,今後の展望について考察する。
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Research Products
(2 results)