2014 Fiscal Year Annual Research Report
異常mRNA分子内切断機構におけるE3ユビキチンライゲースHel2の機能解析
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14J03919
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池内 健 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | リボソーム / ユビキチン / 翻訳 / タンパク質品質管理機構 / mRNA品質管理機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞のタンパク質合成装置であるリボソームの翻訳伸長停滞に起因する、mRNA品質管理機構No-go decay(NGD)の分子機構解明を目的として研究を遂行した。 NGDに必須なE3ユビキチンライゲースHel2のユビキチン化基質の探索を行ない、Hel2依存的にユビキチン化される2つのリボソームタンパク質を同定した。質量分析によりこれらのタンパク質のユビキチン化残基を決定し、ユビキチン化されない変異型リボソームを発現する出芽酵母株を複数作製した。 これらの出芽酵母株を用いてリボソームユビキチン化の影響解析を行ない、1)リボソームユビキチン化依存的にNGDにおけるmRNA切断効率に顕著な変動が生じること、2)リボソームの翻訳伸長停滞に起因する新生鎖(途中まで合成された短鎖型タンパク質)分解機構Ribosome quality control (RQC)にリボソームユビキチン化が必須であること、を明らかにした。また、新生鎖分解機構RQCにおいて、別のE3ユビキチンライゲースLtn1が解離したリボソーム60Sサブユニット上で新生鎖のユビキチン化を直接行うことが明らかにされているが、Hel2はLtn1より前段階で機能し、80S上でリボソームをユビキチン化することで、RQCを引き起こすことを明らかにした。 この研究成果は、タンパク質合成装置であるリボソームの局所的なユビキチン化が翻訳制御に関与することを初めて明らかにしたものであり、今後も更なるメカニズム解明に向け研究を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に記載した1年目の研究内容を概ね遂行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究成果について論文作製と発表準備を行なう。 また、mRNA分子内切断機構(NGD)におけるHel2の機能を引き続き解析する。Hel2の機能解析を中心に、1)エンドヌクレアーゼの探索、2)ヒト培養細胞を用いたHel2の機能的保存性の解析を行なう。
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Research Products
(5 results)