2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J03933
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大槻 玲子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 傷害予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,成長期女子選手における効果的な膝前十字靭帯(ACL)損傷予防法を検討することであった.初年度は,以下の3つの研究を実施した. 研究1では,効果的にACL損傷を予防するために,予防介入の内容の検討を行った.ACL損傷は接地後約40 msで発生することが明らかとなっており,予防介入ではこの時点でいかに危険肢位を回避することに焦点を当てる必要がある.そこで,接地後40 msでの膝外転角度に影響を及ぼす因子を明らかにし,ACL損傷の危険肢位を回避するためには何をトレーニングするべきか検討を行った.その結果,ACL損傷の危険肢位を回避するためには,接地前・接地時に大腿内側の予備筋活動を高め,膝外転角度を予め抑制しておくことが必要であると考えられた. 研究2では,着地準備動作に焦点を当てたトレーニングプログラムを作成した.そして,このトレーニングを実施することによって着地後40 msにおける膝外転角度を抑制することができるのか,またその時に筋力,筋活動,動作にはどのような変化が生じるのか実験室レベルで検討を行った.その結果,3ヶ月間の動作トレーニングによって接地後40 msの膝外転角度を抑制することができ,筋力および筋活動にも変化を生じさせる可能性が示唆された. 研究1及び2の結果をもとに,研究3では思春期の女子選手に対して6ヶ月間の動作トレーニングを実施し,トレーニングが発育に伴う動作変化およびACL損傷のリスク増加にどのような影響を及ぼすか,現場レベルでの評価を行った.その結果,思春期女子選手に動作トレーニングを実施することによって,発育に伴う動作変化を抑制しACL損傷リスクを軽減させる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の目的を達成するために,3本の研究を実施した.研究のデータ収集および解析が終了し,現在その成果をまとめる段階に入っている.研究課題であるACL損傷の予防法について、新たな可能性を提示することができそうである.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では,トレーニングによるACL損傷の発生率の変化について調査を実施する予定であった.しかしながら発生率を算出するために統計学的に必要な人数の被験者の確保が困難であったため,トレーニングによる身体機能の変化を詳細に評価することに変更した.今後は,初年度に収集したデータをまとめる.更に,今年度はオタワ大学にて研究課題に関連する追加実験を実施する.
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Research Products
(5 results)