2014 Fiscal Year Annual Research Report
これは私の手か?:自己身体知覚の変化が他者の行為認識に与える影響の検討
Project/Area Number |
14J04047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 寛樹 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 乳児 / 身体性 / 他者 / 運動発達 / 認知発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの目的は、乳児の自己身体知覚の変化が、他者の身体認識・行為認識に対してどのように関与するのかを明らかにすることである。研究初年度である本年度は、乳児の自己身体知覚を操作できるようなインターフェースの開発と、乳児の身体・運動発達に伴う、他者との日常的なインタラクションの発達変化に関するデータを取得することに専念した。 本年度は、乳児の自己身体知覚を操作するための、成人の到達把持運動に同期/非同期する視覚映像を提示するインターフェースを開発した。しかし、乳児の身体運動に対する理解の不足もあり、本年度中にインターフェースを乳児に実装し、実験課題を実施することはできなかった。 インターフェースを乳児に実装することが難しかったため、これと並行して、乳児の身体・運動発達の縦断的記録を、乳児の家庭での参与観察を通して実施した。具体的には、乳児の身体・運動発達の様子を記録するとともに、それに伴って他者との相互交渉にどのような変化が生じるのか記録した。長い時間スパンで見れば、乳児の身体・運動発達自体によって、乳児の自己身体知覚が常に更新されている、と考えることもできる。このため、他者との相互交渉場面における乳児の行動の発達変化を縦断的に分析することで、自己身体知覚の変化に伴う他者の行為認識の変化を検討できることが期待される。このような点で、乳児の身体・運動発達の縦断的観察は、インターフェースの実装に不足している実践的な知識を補うだけでなく、本研究プロジェクトの目的を多角的に推進することを可能にする。参与観察のデータ取得は平成27年3月上旬まで継続し、その成果を国際学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトの課題の一つである、ユーザーインターフェースを用いた乳児の自己身体知覚の操作は実施できなかったが、参与観察での継続データを取得することで、目的を大きく変更することなく、研究プロジェクトを推進できている。参与観察での継続データは順調に取得されており、学会発表や論文執筆で研究成果を公表する準備も整ってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、上記の成果を詳細に分析し発表する機会が持てなかった。データの解析を進めて学会にて成果を発表し、論文を執筆する予定である。
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Research Products
(2 results)