2014 Fiscal Year Annual Research Report
科学教育における相互支援型アーギュメンテーションを実現する教授方略のデザイン研究
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14J04263
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村津 啓太 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | アーギュメンテーション / 教授方略 / 小学生 / 反論 / 質問 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,学習者同士が適切な「反論」と「質問」を発言し合い,話し合いの質を相互に高め合うサイクルが発生するような『相互支援型アーギュメンテーション』を実現する教授方略について提案することであった. 平成26年度は,以下の研究を実施した.最初に,日本の科学教育関連の文献,及びアーギュメンテーション研究が活発な欧米の文献を網羅的に検討し,『相互支援型アーギュメンテーション』の理論を構築した.次に,1回目の実験授業の実施と分析を行った.1回目の実験授業では,『相互支援型アーギュメンテーション』に必要な「質問」と「反論」のうち,「反論」に焦点を当てた実験授業が実施された.そこでは,デザイン研究と呼ばれる研究手法に基づいて,ビデオカメラによる授業の撮影,ICレコーダーによる児童音声の録音,児童のワークシートやノートの記録といったデータを収集した.収集したデータを多角的に分析した結果,実験授業の前後にかけて,「反論」を発言できた学習者の人数が有意に増加したことが明らかになった.その後,2回目の実験授業の実施と分析を行った.2回目の実験授業では,「質問」の促進に焦点を当てて実験授業がデザインされた.収集したデータを多角的に分析した結果,実験授業の前後にかけて,「質問」を発言できた学習者の人数が有意に増加した.これらの結果から,本研究が考案した「反論」に着目した教授方略,及び「質問」に着目した教授方略の有効性が明らかにされた. 平成27年度では,本研究の目的である『相互支援型アーギュメンテーション』を実現するために,「質問」と「反論」の両者を統合した教授方略を考案し,3回目の実験授業を通してその有効性を検証する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,おおむね順調に進展していると判断できる.理由は,申請時の研究計画の通り,以下の3点が達成されたからである.1点目は,先行研究の精査と理論の構築である.日本の科学教育関連の文献,及びアーギュメンテーション研究が活発な欧米の文献を網羅的に検討し,『相互支援型アーギュメンテーション』の理論を構築できた.2点目は,1回目の実験授業の実施と評価である.構築した理論を踏まえて,「反論」に着目した教授方略の反映された理科授業を実施し,多角的な分析によって,教授方略の有効性を検証できた.3点目は,2回目の実験授業の実施と評価である.構築した理論を踏まえて,「質問」に着目した教授方略の反映された理科授業を実施し,分析を通して教授方略の有効性を検証できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は,以下の通りである.最初に,1回目の実験授業における「反論」に着目した教授方略と,2回目の実験授業における「質問」に着目した教授方略を統合して,「反論」と「質問」の両者の発言を促進するための教授方略の構築する.その後,構築した教授方略を踏まえて,3回目の実験授業を実施する.そこでは,1回目と2回目の実験授業と同様に,デザイン研究と呼ばれる研究手法に基づいて,ビデオカメラによる授業の撮影,ICレコーダーによる児童音声の録音,児童のワークシートやノートの記録といったデータを収集する.その後,収集したデータを多角的に分析し,『相互支援型アーギュメンテーション』を促進するための教授方略の有効性について検証していく予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] An evaluation of Japanese elementary students’ understanding of the criteria for rebuttals in argumentation2015
Author(s)
Muratsu, K., Inagaki, S., Yamaguchi, E., Yamamoto, T., Sakamoto, M.,& Kamiyama, S.
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Journal Title
Procedia-Social and Behavioral Sciences
Volume: 167
Pages: 91-95
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] An evaluation of Japanese elementary students’ understanding of the criteria for rebuttals in argumentation2014
Author(s)
Muratsu, K., Inagaki, S., Yamaguchi, E., Yamamoto, T., Sakamoto, M.,& Kamiyama, S
Organizer
International Organisation for Science and Technology Education
Place of Presentation
Kuching, Malaysia
Year and Date
2014-09-21 – 2014-09-27
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