2014 Fiscal Year Annual Research Report
琉球諸島における動物供犠《シマクサラシ儀礼》に関する民俗学的研究
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14J04265
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮平 盛晃 琉球大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 動物 / 供犠 / 年中行事 / 琉球諸島 / 餅 / 肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、博士論文の執筆とフィールドワークを行った。フィールドワークの内容は、沖縄本島及び周辺離島、宮古諸島、八重山諸島において、未踏査地での聞取り調査及び既調査の村落での補足調査、儀礼観察などである。本儀礼に関する論文や自治体史、歴史的史料を対象とした、文献調査も実施した。 調査成果の一部を2本の論文として執筆し、査読審査のある学会誌に投稿した結果、研究論文として掲載された。1本は「琉球諸島における《シマクサラシ儀礼》の期日に関する研究」(『総合学術研究紀要』第18巻第1号、2015年3月)という論題で、シマクサラシ儀礼の期日に焦点を当てたもので、豊富なバリエーションと大きな地域性があることが明らかになった。 もう1本は、「琉球諸島における《シマクサラシ儀礼》の定期化説の検証」(『国際琉球沖縄論集』第4号、2015年3月)で、先行研究で提示された、シマクサラシ儀礼は臨時のものが古く、後に定期化したという仮説の検証を試みた。これまでに確認できた事例群の分布形態や内容の分析の結果、シマクサラシ儀礼は定期より臨時のものが古く、臨時からの定期化という変遷の形があったと考えられるが、臨時とは別に定期的なシマクサラシ儀礼が新しく現れ、行われるようになっていったという可能性も明らかになった。 日本民俗学会年会においては、「沖縄における鬼餅の12月8日という暦日の意味」というタイトルで、研究成果の一部を発表した(平成26年10月12日)。シマクサラシ儀礼が行われることも多い、12月7日または8日という暦日の意味を考察したもので、分析の結果、7,8日という暦日は、甲から始まる十干の7番目と8番目に金に属する十干(庚・辛)があるという考えにより設定されたものと結論づけた。動物が使われる儀礼の実施日の意味を考える上で、重要な分析結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沖縄本島及び周辺離島、宮古諸島、八重山諸島において、未踏査地での聞取り調査及び既調査の村落での補足調査、儀礼観察などを実施することができ、その成果を2本の論文として執筆し、査読審査のある学会誌に掲載された点や、口頭発表を行えた点などは、当初の研究目的を達成できたとして評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、未調査地及び既調査地でのフィールドワーク、儀礼観察、また、文献資料の収集により確認できたデータの分析を行い、博士論文の執筆を行う。また、研究成果を査読審査のある学会誌への投稿や、学会やシンポジウムなどでの口頭発表を行う。
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Research Products
(3 results)