2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J04281
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
髙松 周平 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 重い電子系化合物 / URu2Si2 / カイラル超伝導 / 隠れた秩序 / ネマティックドメイン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究は、UPt3の磁場中における超伝導対称性を同定することであったが、昨年度の研究が完成していなかったため、予定を変更してURu2Si2における磁場中超伝導状態の解析を行った。 重い電子系化合物URu2Si2では、秩序変数が特定されていない隠れた秩序状態が出現する。その正体は系の回転対称性を破る広義のネマティック秩序であることが磁気トルク測定により示唆されるが、その結果を否定する実験結果も報告されており、決着は未だに付いていない。またURu2Si2では、隠れた秩序と共存するカイラル超伝導状態が安定になる。超伝導対称性は、系の対称性の破れの影響を強く受けるため、ネマティック秩序と共存するカイラル超伝導特有の現象が起こることが期待される。そこで本研究では、隠れた秩序が系の回転対称性を破る可能性の検討を目的として、ab面内磁場中での磁場温度相図を決定し、上部臨界磁場の面内角度依存性を計算した。この理論解析の結果、単一ネマティックドメインの試料と二つのネマティック秩序が共存する試料のどちらの場合においても、回転対称性の破れの影響は相図と臨界磁場角度依存性において、明確に現れることを発見した。 上記の解析結果は、電気抵抗測定や熱伝導率の測定により検証することができる。これらの測定により、ab面内磁場中での超伝導転移温度と上部臨界磁場の角度依存性を決定すれば、隠れた秩序の正体が明らかになる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)