2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代アジアにおける家父長制意識の変容に関する比較社会学的研究
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14J04352
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊達 平和 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 家父長制意識 / 経済的援助規範 / 家族構造 / EASS / CAFS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の基礎的なデータであるEast Asian Social Survey (EASS)とComparative Family Social Survey (CAFS)を元に、以下の2つの活動を中心に研究を行った。 (1)経済的援助規範意識のパターンと家族構造の関連の分析:EASSとCAFSを使用した家父長制に関する意識について日本・韓国・中国・台湾・タイ(バンコク)・ベトナム(ハノイ)・マレーシア(クアラルンプール)・インド(デリー他)・カタール(ドーハ他)の9地域についての比較分析を行った。今年度の分析の主な対象は経済的援助規範意識であり、概して、父系的な家族構造を持つ地域(東アジア・ベトナム)と双系的な家族構造を持つ地域(タイ・マレーシア)の親孝行意識のパターンの差異や、世代間の意識差が明らかとなった。 (2)CAFSデータの整備:ソウル大学Eun-KiSoo教授と共同で、CAFSの5カ国比較の調査結果を元にした出版計画についても同時平行して進めた。本年度はマレーシアデータの取りまとめが終了し、次年度に出版としてまとめるための大きな足がかりを得た。本共同研究の結果はQatar Foundation Annual Research Conferenceにて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、経済的援助規範意識と家父長的な家族制度との関連についての分析を発表をしたほか、マレーシアデータのクリーニングが終了したことによって、今後CAFSデータを総合的に分析し、家父長制意識に迫るための準備が整ったと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究課題の軸となるCAFSデータのクリーニングを速やかに終わらせ、東アジア、東南アジア、南アジア、西アジアの基礎的なデータについて本を刊行することが重要な課題となる。また、家父長制意識、経済的援助規範意識の分析を元にした博士論文の提出も見据えて、分析結果をまとめていく。
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Research Products
(6 results)