2014 Fiscal Year Annual Research Report
異種機能融合型LSIの構築へ向けたⅣ族系ヘテロ構造の創製
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14J04366
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松村 亮 九州大学, システム情報科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 半導体 / 結晶成長 / GeSn |
Outline of Annual Research Achievements |
スケーリング限界に直面し、性能限界を迎えていたSi-LSIは、SOI(Si on insulator)構造やSGOI(SiGe on insulator)構造の実現により、高速な演算ができるようになると提唱されている。然しながら、SOI、SGOIの混載により高速化した次世代LSIでは、チップ間通信に使われている金属配線による信号遅延が増大し動作速度を制限する要因となることが予想される。LSI性能のさらなる向上に追従するため、チップ間通信には電気信号に比べ伝送速度が格段に速い光を用いることが必須である。 最近、理論計算により、Ge中に高濃度(≧10%)のSnを導入すると、バンド構造が直接遷移化し光機能を有することが報告された。すなわち、SiGeの高移動度を最大限に活かした次世代LSIの実現には、10%以上のSn濃度を有するGeSnを基板上に混載して新機能を融合する革新的技術の創出が必須となる。しかし、SnはGeに比べ格子定数が14%ほど大きく、高濃度Snを有するGeSn結晶を形成しようとすると格子歪によりSnの析出が発生し、高濃度のSnを有するGeSn結晶を形成することは困難であった。 そこで採択者は、GeSnの結晶成長温度を低温化することで成長中の原子マイグレーションが抑えられ、Sn析出を抑制することができるのではないかと着想した。Ge中のSn濃度や膜厚、成長温度をパラメータとして多くの実験を行った結果、200度という極低温においてGeSn層の結晶化を実現することができた。その結果、成長後のGeSn結晶中のSn濃度も13%と、目標にした10%を遥かに超えるSn濃度を有するGeSn結晶を実現することに成功した。成長温度がとても低温なことから、LSI上への光デバイス混載はもとより、フレキシブルなプラスチック基板上への高機能材料の混載など、幅広い分野への応用が期待できる成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、成長後のSnマイグレーション抑制のため、極低温におけるGeSn薄膜の横方向固相成長を検討した。その結果、Snアイランド構造をシードとして用いることで300度以下の極低温なプロセス温度においてGeSn層の結晶化に成功し、成長後のGeSn結晶中で最大18%の格子置換Sn濃度を実現することに成功した。 LSI上への多機能融合を実現する鍵技術の創製であり、目覚ましい成果である。これらの成果を非常に多くの発表(論文:5件、国際学会:4件、国内学会:3件)に帰結している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実現した結晶の結晶性を評価し、電気的特性や光学特性評価を行い、多機能デバイスの実証を目指した研究を推進する。
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Research Products
(4 results)