2015 Fiscal Year Annual Research Report
活性型Gli3及び抑制型Gli3を選択的に利用した効率的な骨再生法の確立
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14J04407
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柏木 美樹 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | Hedgehog / Gli3 / RNAシークエンス / 骨折 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、活性型Gli3および抑制型Gli3の上流に位置するHedgehog(Hh)に関して実験を遂行した。 まず、mES細胞を用いたHhシグナル活性化による発現遺伝子の解析を行った。Col1a1-GFP mES細胞を培養し、Smoothened agonist(SAG)およびヘリオキサンチン誘導体(TH)を用いて骨芽細胞分化誘導を行った。19日間の培養後、GFPの発現を顕微鏡にて観察し、骨芽細胞へと分化していることを確認した。さらに、RT qPCRを用いて遺伝子発現解析を行い、各ステージにおけるmRNAの発現を調べた。培養0日目から5日目では、中胚葉分化マーカーの上昇が認められ、12日目ではSAG + THによる骨芽細胞分化マーカーの上昇を確認した。さらに、培養5日目および培養12日目からmRNAを回収し、RNAシークエンスによる遺伝子発現の解析を遂行中である。すでにシークエンシングを行い、現在はRNA Seqから得られた情報の解析中である。 また、MGHおよびハーバード大学にて2ヶ月間研究を遂行した。今後予定しているマウス頭蓋骨骨欠損モデルの作製およびin vivoイメージングによる頭蓋骨の評価を習得した。この度の海外研修で、実験計画にある頭蓋骨臨界骨欠損モデルの作製方法を学び、蛍光抗体のdelivery法、多光子顕微鏡の使用法を身につけた。 最後に、マウス左側脛骨骨折モデルを使用し、骨折治癒過程へのHhシグナルの影響を評価した。本年度は、組織学的評価として、アルシアンブルー・ヘマトキシリン・エオジン染色を実施し、仮骨形成における形態学的な差異を観察した。さらに、Hhシグナルの活性化による骨治癒過程への影響をさらに詳細に検討するため、術後14日目での免疫染色による組織学的解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画書にあるように、生物学的影響を遺伝子レベルで明らかにするため、遺伝子発現の解析を行った。当初の予定ではマイクロアレイでの解析を考えていたが、検討した結果、RNAシークエンスによる解析を行った。現在解析中であるが、結果はおおむね良好であり、順調に進んでいるといえる。 また、骨疾患モデルにおける解析も放射線学的解析、組織学的解析ともに平行して順調に進んでおり、Hhシグナルの機能解析につながる良好な結果が得られている。 さらに、他研究室にて実験計画を遂行していく上で必要なin vivoイメージングの技術も身につけ、骨疾患モデルを用いたさらなる解析に順調に近づいていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験については、現在遂行中であるRNAseqの解析はQC結果も良好であり、このまま解析を進めていく予定である。また、同時にmicro CTや免疫染色等によるマウス骨折モデルの評価も完成させ、頭蓋骨骨欠損モデルでの評価へとつなげていきたいと考えている。Gli1CreERT2マウスの骨折モデル実験の準備が出来次第、Hhシグナルの骨疾患モデルにおける時間的・空間的機能解析を早急に進めていきたいと考えている。 さらに、データがまとまった時点で、学会発表、論文作成も予定している。
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