2014 Fiscal Year Annual Research Report
LHDにおける3次元輻射計測手法の開発および放射崩壊現象に関する研究
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14J04448
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
佐野 竜一 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | プラズマ計測 / 3次元トモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は大型ヘリカル装置(LHD)に設置された4台の赤外線イメージングビデオボロメータ(IRVB)を用いた3次元トモグラフィー計測の開発および、放射崩壊現象計測への適用に取り組み、LHDプラズマの放射崩壊シナリオの概略を取得することに成功した。 これまでIRVB計測にはIRVB金属箔の熱特性の不均一さから来る計測誤差があり定量的な計測が難しく、またトモグラフィーに不可欠な個々のIRVB同士のデータの整合性を確保することが難しかった。そのため、トモグラフィー計測の準備としてこの不均一さを評価する金属箔キャリブレーション手法および、IRVB間の整合性を確保するためにモデル化した3次元輻射分布を4台のIRVBそれぞれで参照する相対キャリブレーション手法を開発し、4台のIRVBそれぞれに対して適用した。これにより、IRVBを用いた定量的で、個々のIRVB間で矛盾の無い計測が可能となった。このキャリブレーション済みのIRVB計測データを用いて逆問題の基本的なソルバーの一つであるTikhonovの正則化を用いた3次元輻射分布の再構成を行った。このような3次元の分布を直接求める計測は、核融合分野では初めての試みとなる。この手法での再構成に対し、数値モデルを使ったシミュレーションおよび実験データからの再構成の二通りの方法で再構成テストを行った。テスト結果よりIRVB計測データを用いた再構成では物理的に合理的でプラズマの変化に追従する3次元輻射分布の取得が可能であることが確認された。 このように開発された3次元輻射計測を放射崩壊現象の計測に対して適用した結果、「放射崩壊時にはプラズマのトーラス内側の増大(Inboard enhancement)が起こり、それはトーラス内側のプラズマが真空容器壁に最も近い部分から始まり、トロイダル方向に発展していく」といった様子が確認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究では当初予定していた3次元トモグラフィー用の計測器であるIRVB複数台の視野設計、設置、較正が完了した。またそれらを用いた3次元トモグラフィーのための、3次元再構成手法の数値的および実験的な評価を行った。これにより、手法の一つであるTikhonovの正則化による再構成によって物理的に合理的な再構成結果が得られることが確認され、研究計画にて予定していた3次元トモグラフィー計測の開発およびそれによる初期結果の取得に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究によりLHDにおけるIRVBデータを用いて3次元輻射分布を再構成する、3次元トモグラフィー計測が開発され、それによる物理現象の計測が可能となった。この計測において再構成結果にはIRVBデータの持つデータ数の不足、見込み角の欠損、計測器の設置誤差などの欠陥によってアーティファクトを生じ、その低減が現状の課題となる。このようなアーティファクトの低減のために、現在用いている再構成手法であるTikhonovの正則化以外の再構成手法の評価、計測器設置誤差の再構成結果に対する影響の定量的評価を予定している。 また、今年度の研究および来年度の研究の成果について3次元トモグラフィー計測、およびそれによって得られた物理について、"Review of Sientific Instruments" 等の雑誌への論文投稿を予定している。
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