2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNA-33の心不全/臓器線維化における役割の解明
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14J04658
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西賀 雅隆 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | microRNA / 心不全 / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロRNA( microRNA; miRNA; miR)はおもに20~24塩基長の短鎖RNAであり、メッセンジャーRNA(mRNA)の3’非翻訳領域に結合して、遺伝子発現を調節していることが知られている。我々は、コレステロール合成の主要な転写因子であるSREBP-2遺伝子のイントロンに存在するマイクロRNA-33に注目している。独自にマイクロRNA-33ノックアウトマウスを作製したところ、このノックアウトマウスでは、HDLコレステロールが高く、動脈硬化モデルでも動脈硬化を起こしにくいことをこれまでに報告してきた。このマイクロRNA-33は心臓でも発現が認められるが、心臓における役割は不明である。今回、マイクロRNA-33ノックアウトマウスを用いて、解析を行った。ノックアウトマウスでは、心不全モデルにおいて、心臓の線維化が軽減することを遺伝子発現レベルおよび組織像にて確認した。臓器線維化は主に線維芽細胞によって分泌される細胞外基質が大きく関わっているため、野生型およびノックアウトマウスから線維芽細胞を単離し解析を行った。ノックアウトマウスの線維芽細胞では、刺激に対する線維化関連遺伝子の発現上昇が野生型と比較して軽減することを確認した。さらに、機序を解明するために、マイクロRNA-33を臓器特異的にノックアウトしたマウスを作製することとした。ES細胞の培養からキメラマウスを作り、すでにfloxマウスを得ている。このfloxマウスを用いて、臓器特異的ノックアウトマウスでの解析を現在進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロRNA-33が、心肥大・心臓線維化において重要な役割を果たすことをin vivoで確認することができた。 臓器特異的ノックアウトマウスの作製も比較的順調に進行しており、今後解析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽細胞の培養実験において、マイクロRNA-33の標的遺伝子を同定する。 また、臓器特異的ノックアウトマウスでの解析を進める。
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