2014 Fiscal Year Annual Research Report
1950~1960年代、多地域比較による華北農村社会の変容に関する研究
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14J04769
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Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
河野 正 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 華北農村 / 中国共産党 / 中華人民共和国 / 農業集団化 / 土地改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究開始1年目として、科研費を利用して中国・アメリカで調査を行った。具体的には以下の通りである。 2014年9月、中国・唐山学院の教員による協力の下で、河北省唐山市の農村で聞き取り調査を行った。今回は玉田県の農村1村で村の老人及び村幹部より概括的な聞き取り調査を行った。次年度、改めて唐山市を訪問し、この村も含めた数村で聞き取り調査を引き続き行う予定である。同月、中国・南開大学歴史学院を訪問し、同学院所蔵の華北農村関係史料について概況調査を行った。同学院の史料は多岐にわたり、また対外的に公開された目録等は存在していないが、今回の訪問により概況を理解し、また今後の理解についての快諾を得た。 2015年1月、アメリカ・国立公文書館を訪問し、朝鮮戦争時期の史料を閲覧・収集した。同2月、アメリカ・カリフォルニア大学ロスアンゼルス校の東アジア図書館を訪問し、『中共重要歴史文献資料匯編』の閲覧を行った。こちらも膨大な史料群であり、引き続き調査が必要である。 この他、書籍の購入を行った。比較的規模の大きいものとしては『建国以来重要文献選編』1セット、『人民手冊』1セット、また近年刊行された『中共中央文件選集』を購入した。 これらの研究成果として、論文1本が掲載され、また1本が掲載決定済みである。また中国山東省で開かれた学会で口頭発表を行った他、中国の大学2つで招待講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り、新規の調査地として河北省唐山市でフィールドワークを開始することができた。また研究成果としては、論文1本が掲載、1本が掲載決定となり、学会・招待講演等で口頭発表を行うこともできた。 史料調査については、現在中国の公文書館の利用が非常に難しい状況にあり、当初予定していた公文書館での史料調査が叶わなかったが、南開大学歴史学院所蔵の村落史料について閲覧をすることができ、次年度以降の閲覧についても快諾を得ることができた。また、2度にわたるアメリカでの調査も順調に行うことができた。 フィールドワーク・史料調査ともに次年度以降継続して調査が可能であり、研究開始の初年度としては順調であると言える。よって本年度の研究はおおむね順調に進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アメリカ及び中国での史料調査・フィールドワークを行う。現在2015年度のフィールドワークについて唐山学院の教員側と打ち合わせ中であり、本年度も夏期休暇を利用して調査をする予定である。 中国国内の公文書館の利用は引き続き難しいことが予想される。そのため引き続き南開大学所蔵の史料の調査をするのと同時に、可能であれば唐山学院以外の大学とも連絡を取り、フィールドワークの範囲を広げることも考えている。
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Research Products
(5 results)