2014 Fiscal Year Annual Research Report
脱細胞化肝臓由来可溶化マトリックスの開発および再生医療技術への応用
Project/Area Number |
14J04801
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 晋太郎 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医療 / 肝臓 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、肝組織構築に対して有効な足場材料の開発を目的とした。足場材料として、細胞に対して最適な微小周囲環境の提供が可能であると考えられる肝臓特異的ECMに着目した。ここでは、この足場材料が増殖因子固定化能を有することで、細胞に対して足場と固定化増殖因子による相乗的なシグナル伝達が可能になることを期待した。このような特徴を有する足場材料により細胞の微小周囲環境を整えることで肝組織の構築を目指した。 1.増殖因子固定化可能な肝臓特異的マトリックスの開発:増殖因子は細胞の生存や増殖だけではなく分化や機能発現にも影響を与えるシグナル伝達物質であるが、安定性に欠けるといった問題がある。そこで、増殖因子を足場材料に固定化する試みがなされており、これにより安定性の向上だけではなく細胞への効率的なシグナル伝達が可能になることが期待される。本研究で開発した肝臓特異的ECM(L-ECM)は増殖因子を静電的に固定化することができ、細胞の増殖に対して有効であることが示された。 2.上記材料のゲル形成:肝組織工学を達成するためには、三次元的な足場材料が不可欠であると考えられる。なかでも、ゲルは細胞に対して生体内類似環境を与えることが期待できる。本研究で開発したL-ECMは生理的温度およびpHにおいて生じる分子の自発的な架橋によりゲルを形成することが可能であった。したがって、L-ECMの開発により増殖因子固定化可能な肝臓特異的ECMゲルの構築が可能であることを見出した。 3.上記材料を用いた肝細胞培養:機能が低下および損失しやすい初代肝細胞を用いた検討により、L-ECMは21日間の培養期間において初代ラット肝細胞の肝特異的機能(アルブミン合成、薬物代謝活性)の向上および維持に対して有効であることが示された。また、異種動物の肝臓特異的ECMでさえも細胞に対して適切な周囲環境を提供できる可能性を見出した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)