2016 Fiscal Year Annual Research Report
金属資源回収と有害金属除去に有用なShewanella属低温菌の金属代謝機構解析
Project/Area Number |
14J04852
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大毛 淑恵 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | バイオテクノロジー / 金属代謝 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)PhoE はグラム陰性細菌に高度に保存される外膜ポーリンタンパク質である。大腸菌の PhoE は、正電荷アミノ酸が局在する親水的な筒型構造を生体膜上で形成することで、リン酸を特異的に取り込む輸送体と考えられている。Shewanella livingstonensis Ac10(Ac10) の PhoE のタンパク質立体構造予測から、正電荷アミノ酸がポーリン孔内に存在する可能性が示されたので、PhoE を介した三価鉄取り込み機構の存在が示唆された。Ac10 PhoE の C 末端に存在する 313 番目のリジン残基 (Lys313) に変異導入した PhoE を phoE 遺伝子欠損株 (ΔphoE) で発現させても鉄呼吸能は回復しなかった。Ac10 PhoE モノクローナル抗体によるウエスタンブロッティングの結果、phoE Lys313 変異導入株のバンド強度は野生株、phoE 相補株に比べ、低下していたものの、本菌の鉄呼吸能を顕著に回復しないことを説明出来るほどではなかった。。 2)細菌の鉄輸送は、外膜輸送系 TonB や内膜輸送系 ExbD で構成される TonB 依存型輸送体によって制御されている。Ac10 の鉄呼吸における TonB 依存性輸送体の生理機能を解析するため、tonB とexbD 遺伝子欠損株をそれぞれ作製し、クエン酸鉄 (III) 存在下での生育能と二価鉄生成量を解析したが、これらの遺伝子破壊株は、野生株と同様に生育した。一方で、近縁の常温菌 Shewanella oneidensis MR-1(MR-1) では tonB と exbD 遺伝子欠損株は野生株に比べて鉄還元能が低下し、phoE 遺伝子欠損株は野生株と同様に生育した。以上の結果から Ac10 と MR-1 の鉄呼吸において、異なる鉄輸送機構が存在することが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)