2014 Fiscal Year Annual Research Report
他児の対人葛藤に対する幼児の非当事者としての介入とその発達
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14J04886
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| Research Institution | Nara Women's University |
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Principal Investigator |
松原 未季 奈良女子大学, 人間文化研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 幼児 / 対人葛藤 / 介入 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、幼稚園3年間で幼児による他児が起こしている対人葛藤場面に対する介入がいかに発達するのかということを明らかにすることである。この目的を達成するために、本年度は、以下の調査及び分析を行った。
2012年度に3歳児クラスに入園した5歳児クラスを対象にフィールド観察を行った。5歳児が他児の対人葛藤場面に介入する場面を中心に観察を行った。また、各学期末に5歳児クラスの担任教師にインタビューを行い、指導上の目標等を質問した。
さらに、博士前期1、2年目に調査対象とした幼稚園3、4歳児クラスのデータを以下の2点から分析を行った。
①3、4歳児が他児の対人葛藤場面において示す介入行為のうち、<注意>と<加勢>の二つに着目して、<注意>と<加勢>がどのように変化するのかに焦点を当て、入園後2年間における他児の対人葛藤場面への「介入」の形成過程を明らかにした。その結果、「介入」が形成されるようになるには、介入者の行為形成と意思決定の両方が必要であり、3歳児前半は、行為形成を用いた介入が多く見られるが、4歳児になると、行為形成と意思決定を統合して介入するようになることが示唆された。本研究によって得られた知見を、第26回日本発達心理学会にてポスター発表を行った。
②3歳児からの縦断的調査を通して、幼稚園4歳児は他児が起こしている対人葛藤場面にどのように介入するのか、その変化を明らかにした。それにあたって、4歳児の介入は3歳児と比較して、状況変化や解決にどのように機能、貢献するようになるのかを検討した。その結果、4歳児においては、介入者は教師の模倣や型通りの介入をするだけではなく、自らの意志を示すようになったり、他者の内的状態を代弁したりできるようになり、介入が実質的に機能し始めることが示唆された。本研究で得られた知見を、日本教育心理学会第57回総会で発表する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
１．調査については、３年間の縦断調査の最終年度として、幼稚園５歳児のフィールド調査を計画通り、順調に実施した。加えて、これまでの縦断研究の信頼性や妥当性を高めるために、今年度入園の３歳児の観察を並行して行った。この点は、期待以上の進展をみせた。
２.分析及び研究発表については、３歳児の対人葛藤場面への介入に関する論文と、対象児に焦点をあてた対人葛藤場面における社会的発達に関する論文の２本については一度完成に至った。しかし、昨年度調査を行った４歳児の介入とあわせて再分析を行ったところ、３歳児論文に見直しの必要が生じ、今年度は学会発表は行ったものの、論文の公表には至らなかった。分析や論文化を進めているが、、研究業績の点で充分な蓄積があったとは言い難い。
以上より、研究への取組自体については期待以上であったが、業績の点と合わせて、おおむね順調に進展していると評価する。
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| Strategy for Future Research Activity |
3歳児の対人葛藤場面への介入について、4歳児の介入と合わせて、再分析し、論文を完成させ、「発達心理学研究」に投稿予定である。
また、対象児に焦点をあてた対人葛藤場面における社会的発達に関する論文も完成させ、「奈良女子大学人間文化研究科年報」に投稿予定である。
3、4歳児の調査をもとに、幼稚園4歳児は3歳児と比較して、他児が起こしている対人葛藤場面にどのように介入するのか、その変化を分析し、「幼稚園4歳児における他児の対人葛藤場面への介入：3歳児との比較を中心に」をいうテーマで日本教育心理学会第57回総会で発表予定である。
さらに、3、4歳児の調査をもとに、幼稚園3、4歳児の他児の対人葛藤場面への介入の成否と解決可能性がどのようなものであるのかを分析し、「幼稚園入園後2年間にみる他児の対人葛藤場面への介入の成否と解決可能性」というテーマで日本質的心理学会第12回大会にて発表予定である。
昨年度調査を行った5歳児の介入を分析し、幼稚園3年間の幼児による他児の対人葛藤場面への介入の発達のモデル化を目指す。
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Research Products
(2 results)
