2015 Fiscal Year Annual Research Report
人間行動センシング時系列データのための知識探索型ビッグデータ解析基盤の研究
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14J05331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 有祐 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ディープラーニング / 不変性 / 行動認識 / スマートフォン / モデル圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
■R1: ユーザ非依存性を担保する行動認識モデルの提案・開発 ディープニューラルネットワーク(DNN)で学習されるモデルがユーザ非依存に利用可能になるように拡張したモデルを提案した.学習するモデルをどのユーザでも利用可能にすることは,1)人間行動センシングデータを解析し一般的な知見を獲得する,2)人間行動センシングデータを利用したアプリケーションを作成するという解析面・実用面双方から重要である.提案手法では,DNNにより学習される表現がユーザ非依存なものになるように制約を加える方法である.提案手法の有効性について,1.学習に利用したデータ,2.学習に利用したユーザのその他のデータ,3.学習に利用していないユーザのデータの3つの異なる種類のデータにおける行動の予測能力を定量的に評価し,提案手法が学習時に存在しないユーザに関する認識精度を複数のベースライン手法と比較して向上させることを示した. ■R2: 深層行動認識モデルの圧縮手法の提案・開発 DNNを用いて学習した行動認識モデル(深層行動認識モデル)を,人間行動センシングデータを利用したアプリケーション開発の文脈で実用的に利用することを目的に,深層行動認識モデルを圧縮する手法の提案を行った.一般に,DNNにより学習したモデルは大量のパラメタを持ち,ハードウェア制約のある端末上で認識を行わせることは困難である.ここでは,さらなる圧縮およびに精度保持を実現するために,行動認識の文脈に特化した圧縮手法の提案・開発を行った.提案手法は,ユーザ非依存なモデルを複数のユーザ特化した小さなモデル群により代替することで,スマートフォンで認識するモデルサイズを圧縮する手法である定量的な評価の結果,従来の手法が50%程度のメモリ削減にとどまっていたのに対して,提案手法では元のモデルの認識精度を維持したまま70%程度のメモリ削減が可能になることを検証した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビッグデータ分析およびに機械学習の分野で重要な領域である深層学習について、輪読回に定期的に参加し最新の情報をキャチチアップし、また本研究テーマである行動センシング時系列データ分析に関係する領域で研究成果を出している。本研究テーマを構成する3つの研究のうち、1つはすでにジャーナル論文に再録されており、残りの2つについてもすでに国際会議に投稿し再録可否を待っている状態である。これらのことから、おおむね順調に進展しているということができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまで行ってきた成果をまとめ、ジャーナル論文としてのアウトプット及びにサービスかによるアウトリーチを行い、博士論文として全体の成果をまとめる。 1. ジャーナル論文化:a)深層学習を利用した行動センシング時系列データ分析手法の高精度化(2016年7月)、b)新行動認識モデルの圧縮(2016年10月) 2. サービス化によるアウトリーチ活動:これまでの2年間で開発した技術を研究1)行動センシング時系列データを利用した車いす危険マップアプリケーションと統合し、Webサービスとして提供する。9月ごろまでに危険度のマッピングやユーザとのインタラクション、およびにユーザ認証機能などを備えたWebアプリケーションを開発、提供し、新たなデータの獲得およびにさらなる研究発展を目指す 3. 博士論文:10月ごろまでに「深層学習を利用した行動センシング時系列データ分析実用化に関する研究」という題目で博士論文を執筆し、これまでの研究成果をまとめる。
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Research Products
(6 results)