2016 Fiscal Year Annual Research Report
小分子によるRNAシュードノット構造の形成と遺伝子発現制御への応用
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14J05460
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 咲 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝子発現制御 / 小分子ーRNA相互作用 / シュードノット / RNA結合性分子 / RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに合成小分子NCTnがRNA中のCGG/CGG配列に特異的に結合することによりシュードノット構造を誘起し、さらに誘起されたシュードノット構造により-1リボソームフレームシフト(-1PRF)が引き起こされ、下流の遺伝子が発現することをin vitroと細胞内の両方で実証してきた。本年度はNCTn誘起型-1PRFのカイネティクス解析を行った。クエンチフローシステムを用いて翻訳時間0.05秒~200秒で産出するペプチド鎖を調べたところ、NCT8結合配列であるCGG/CGG配列をもつmRNAに対しては、NCT8非存在下と比べてNCT8を添加したときに、0フレーム産物より-1フレーム産物の生成速度が速いことが示された。 また、これまでにRT-PCRによる細胞内RNAの定量解析により、NCT添加から12~24時間の間にNCT8の副次的な影響が出ていることが示唆されていた。そこで本年度は、次世代シーケンサーを用いたRNA-seqにより、NCT8の添加により細胞内のトランスクリプトームがどのように変動するのかを解析した。その結果、化合物添加後12時間及び24時間後に発現促進及び発現抑制した遺伝子が見つかった。プロモーター領域をTSSの上流500塩基と定義し、配列解析を行ったところ、NCT8により遺伝子の発現が上昇した遺伝子のプロモーター領域にはGCリッチな配列が多いことが明らかになった。SPR解析によりNCT8とプロモーター領域により多く発見された4塩基を持つDNAとの相互作用が確認できた。一方、プロモーター領域で発見頻度の低い4塩基をもつDNAではNCTとの相互作用は観測されなかった。このことから、NCTがGCリッチなプロモーター配列と相互作用することにより、遺伝子発現を上昇させる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)