2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J05608
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森田 公之 一橋大学, 商学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 意思決定過程 / 異質性 / 情報獲得 / 情報伝達 / 説得 / モラルハザード |
Outline of Annual Research Achievements |
[研究の目的]本研究では,組織内の異質性の分析をしている.特に,異質な人々と働くことが,組織にとって望ましくなる状況はいつなのか,またそれはなぜなのかという問いに取り組んでいる.
[研究の状況]現在,組織の異質性の中でも組織内の選好の異質性を分析した研究がまとまりつつある.すでに,国内外の学会で報告済みであるが,今夏にさらに国外の学会で発表する予定である.また考え方の異質性を扱った研究も海外のカンファレンスで発表することが決まっている.
[研究の進行具合]組織内の選好を扱った研究では,どのプロジェクトを実行するか選択する意思決定者と実際に選択されたプロジェクトを実行する遂行者との間の選考の相違を分析した.結果として,組織が情報技術などに投資をしており情報を集める費用が低くかつ遂行者の熟練度が高い場合に異質な組織が同質な組織よりも望ましいことが示せた.現在,この結果を現実の製品開発の例に照らし合わせ,結果の説得が増すように文章を練っている段階にある.考え方の異質性を扱った研究は,自身の能力を固定的と考えるか可変的と考えるか組織はどちらの人材を採用した方が良いかを分析している.現在,結果として,可変的に考える人たちは,失敗した後失敗からリカバーでき,この点においてより失敗に強いことがわかった.この結果は,心理学で指摘されている結果と整合的である.ただし,可変的に考える人は,失敗に強いが故に固定的に考える人より失敗しやすいことがわかった.そのため,任せるタスクが失敗しやすいような難しく,新しいものの場合は,可変的に考える人が組織にとって望ましく,成功しやすいタスクの場合は固定的に考える人に任せるのは望ましいことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
選好の異質性についての研究は,すでに国内,国外の学会で発表しており,平成27年度にも国外での発表が決まっている.夏の学会でのコメントを反映させれば,論文が完成する予定である. 考え方の異質性の研究も,平成27年度に国外のカンファレンスでも発表が決まっており,秋以降に論文としてまとまる予定になっているからである.
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Strategy for Future Research Activity |
選好の異質性の研究については,近い分野の研究者にコメントをもらい平成27年度中には国際的な査読誌に投稿することを目指して作業を進めている. 考え方の異質性についての研究は,今後より多くの研究者にいろいろなご指摘をいただけるように国内,国外の複数の学会,カンファレンスで発表を行っていく予定である.
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Research Products
(2 results)