2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳形成における増殖因子ニューレグリンの時空間的制御機構とその役割に関する研究
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14J05637
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
亀崎 青沙 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 蛍光バイオセンサー / エクトドメインシェディング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度中に増殖因子Neuregulin 1(NRG1)の細胞外ドメインにmCherryを、細胞内ドメインにGFPを標識した蛍光バイオセンサーのコンストラクト(N-CISSOR)を作製した。N-CISSORは培養細胞中において主に細胞表面に局在し、NRG1と同様にメタロプロテアーゼ依存的に切断が起こった。また、N-CISSORを発現させたHEK293T細胞NRG1切断を誘導するPMAを処理したところ、mCherry/GFP比が低下していくことがわかったことから、この蛍光バイオセンサーはmCherry/GFP比の変化を持ってNRG1の切断を評価できることが示唆された。また、N-CISSOR発現HEK293T細胞中には、mCherry単体の蛍光がみとめられたが、この蛍光は、N-CISSORがライソゾームなどの低pH環境に晒された結果の産物、すなわち、pH感受性の高いGFPの蛍光のみが消失した結果生じた蛍光であることが判明した。この予想外の産物の評価や解決の試みにおよそ半年間の遅れをとった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
mCherryとGFPを用いたNRG1切断可視化蛍光バイオセンサーN-CISSORをゼブラフィッシュ胚に導入する予定であったが、N-CISSORを発現させた細胞に、mCherry単体のdotがみられた。このmCherry単体の蛍光の正体を突き止め、除く、もしくは、NRG1の切断に依存するのかどうかを評価する必要があったため、およそ半年間の遅れをとった。
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Strategy for Future Research Activity |
mCherry単体の蛍光が、NRG1の切断の評価に深刻な問題を与えなかったことがわかったため、開発したN-CISSORをゼブラフィッシュ胚に応用し、個体内におけるNRG1の切断を評価する。また、種々のプロテアーゼ阻害剤や変異体を使ってその切断パターンの機序を調べることで、「NRG1のゼブラフィッシュ個体内の神経細胞における切断パターンとその機序」を論文にまとめて国際誌に投稿する予定である。
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