2015 Fiscal Year Annual Research Report
最重要不安定核132Snの巨大共鳴測定による原子核スピン応答の統一的理解
Project/Area Number |
14J05720
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
安田 淳平 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ガモフテラー / 荷電交換反応 / 不安定核 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、二重閉殻である不安定核132SnにおけるGT巨大共鳴測定を行うことで、原子核スピン応答の研究を推進する。 不安定核におけるGT巨大共鳴測定を実現するには、広い運動量アクセプタンスと高い検出効率が求められる。そこで、本研究ではSAMURAIスペクトロメーターを用いることで、すべての(p,n)反応の同定を行い、さらに大立体角低エネルギー中性子検出器群WINDSを建設・設置することで高い検出効率を実現する。 初年度は、理化学研究所仁科加速器センター(RIBF)にて、不安定核132Snビームによる(p,n)反応測定をSAMURAIスペクトロメーター並びにWINDSを用いて遂行した。 本年度は得られたデータの解析を中心に行い、実験に用いた装置の性能に関して、最終目的であるGT共鳴を観測する上で十分な性能を達成していることが確認できた。この結果は、RIKEN Accelerator Progress Report に投稿し、Highlights of the year に選出された。また、国際学会EMIS2015にて口頭発表を行い、同様の内容はプロシーディングスとして「Nuclear Instrumental and Methods B」に掲載決定となった。 物理結果に関しては、中性子測定に伴うバックグランドの削減、評価を詳細に行うことによって、GT巨大共鳴と思われるピークの観測に成功した。これらに関する結果は国際学会COMEX5, 日本物理学会にて口頭発表を行った。 今後は得られた実験結果と理論モデルとの比較を行うことで、不安定核領域における原子核スピン応答に対する知見を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していた実験の遂行に成功し、またデータ解析から実験に用いた装置が期待される性能を十分に達成したことが確認できた。 物理結果に関してもGT巨大共鳴と考えられるピークが認められ、またその分布から不安定核の構造や残留相互作用に対して新たな知見が得られる見通しも立ち、期待以上に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
詳細なデータ解析を勧め、132SnにおけるGT巨大共鳴の全体像を把握する。 また、今後は得られた実験結果と理論モデルとの比較を行うことで、不安定核領域における原子核スピン応答に対する知見を得る。
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Research Products
(9 results)