2016 Fiscal Year Annual Research Report
新規ウイルスベクター構築に向けた遺伝子間相互作用の解析
Project/Area Number |
14J05845
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武田 ひとみ 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | baculovirus / genetic interaction / BmNPV / arif-1 / pif-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、BmNPV遺伝子発現ベクターの改良を目的として、BmNPVの多角体タンパク質(Polh)高発現に関わる遺伝子間相互作用の解明を目指したものである。本研究では、arif-1(bm12)とpif-2(bm13)間に存在する、Polh発現に大きな影響を与える補完的(補償的)な相互作用に関して興味深い結果を得た。まず、両者に転写制御関係は認められず、また、何らかの機能が予想される共通構造は見出せなかった。そこで、arif-1とpif-2の両遺伝子同時ノックアウト(ダブルKO)ウイルスの表現型に関して詳細に解析した結果、両ウイルス間にウイルスDNA複製阻害は認められないこと、そして、2次感染に必要なウイルス(BV)を産生する機能に問題が生じていることが示唆された。さらに、ウイルス遺伝子を対象としたトランスクリプトーム解析を行った結果、両遺伝子をダブルKOした場合には、必須遺伝子に分類されるlef-2とbm67の発現が強く阻害されることが判明した。lef-2とbm67は、全てのバキュロウイルスで保存されているコア遺伝子であり、それらの単独KOウイルスでは、二次感染能が喪失(あるいは極端に低下)することが知られている。これらの結果から、ダブルKOウイルスでは、lef-2やbm67の発現が抑制された結果、BV産生やGFP発現の大幅な低下が観察されたと推定した。そこで、発現低下が安定して観察されたlef-2に着目して、この仮説を検証するためのレスキュー実験を行った。その結果、lef-2を1コピー導入することで、ダブルKOで大きく低下したウイルスの増殖能(Polh発現能)が、野生型と同等まで回復することが判明した。以上の結果から、非必須遺伝子であるarif-1とpif-2は、少なくとも必須遺伝子であるlef-2の十分な発現を実現するための制御において補償的に機能していると結論づけた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)