2016 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類のメタ記憶処理大脳神経回路のfMRIによる同定と遺伝学的介入による動態変化
Project/Area Number |
14J05926
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 健太郎 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | メタ記憶 / メタ認知 / 磁気共鳴機能画像法 / 霊長類 / GABAA 受容体アゴニスト / 前頭前野 |
Outline of Annual Research Achievements |
確信度判断課題遂行中の2頭のマカクサルの磁気共鳴機能画像法(fMRI)記録によって同定された2つの「メタ記憶」関連領域(前頭葉9野,6野)に対し、その神経活動と行動の間の直接的な因果関係を調べるための介入実験を計画し、実行した。具体的には、ムシモール(GABAA 受容体アゴニスト)を用い、fMRI実験によって同定されたそれぞれの領域に対して別々に薬理学的介入を行い、それぞれの介入による行動指標への影響に乖離が見られるかどうかを検討した。fMRI実験を行った個体と同じ2頭のサルに対して、この実験を行ったところ、介入を行う記憶の確信度判断のコアにより、その行動指標に及ぶ影響が異なり、fMRI実験から導かれた「記憶の確信度判断のコアとなる領域が想起する記憶の種類によって異なる」という仮説が行動実験において直截的に証明された。 本研究課題の3年間の研究期間において、1) マカクサルの「メタ記憶」をテストする行動実験パラダイムを確立し(平成26年度)、 2) 「メタ記憶」関連領域を全脳において同定し(平成26-27年度)、3) その領域の活動と行動の間の因果関係を薬理学的に検証した(平成27-28年度)。以上の成果について原著論文を執筆し、査読を経て、米国科学振興協会(AAAS)刊行の、Science誌に掲載された。 本研究課題の成果は、Science誌2017年1月13日号の誌面においてTop storyの扱いを受け、その概説がResearchの部の冒頭にて取り上げられたほか、Web版においてもハイライトされた。研究成果の概要は、朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞等の主要紙や、日刊工業新聞・科学新聞等の専門紙を含む少なくとも20の新聞媒体(和文,紙面)と、TIME誌, Smithsonian誌など少なくとも3誌の英文媒体によって取り上げられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
平成29年3月16日 東京大学公式ホームページ「UTokyo Research」にて、Science誌への発表に関連する一般向け記事を公開
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Research Products
(4 results)