2014 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光イメージングと光操作を駆使したがん転移におけるEMTとMETの時空間解析
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14J05947
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
椿原 裕太郎 愛媛大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | がん転移 / EMT / MET / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、EMTおよびMETががん転移に重要な現象であることが明らかにされてきたが、そのほとんどがin vitroでの解析であり、in vivoで実際にEMT・METが起きていることは未だに証明されていない。本研究では、in vivoでがん転移におけるEMT・METをイメージングによってリアルタイムで可視化することで原発巣からがん細胞が転移していく様子や、全身循環に乗って移動するがん細胞、また遠隔臓器で転移巣を形成する瞬間を捉え、がん転移におけるEMT・METの分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。EMT・METに対するプローブには光を用いたオプトジェネティクス技術を利用し、光照射によってEMTを誘導し、さらには上皮細胞と間葉系細胞を可視化するためのコンストラクトを考案した。まず初めにMelanopsinとNFATプロモーターを利用した遺伝子発現誘導システム(Ye et al,. 2011,. Science)の利用を試みたが、光照射によって遺伝子発現誘導がほとんど起こらなかった。そこでGAVPOおよびUASGを利用した他の遺伝子発現誘導システム(Wang et al,. 2013,. Nature Methods)を利用したところ非常に高いSignal/Noise ratioで遺伝子発現誘導を確認することができた。また上皮細胞に対する蛍光プローブとしてE-cadherinプロモーター制御下で蛍光タンパク質を発現するコンストラクト、光照射によってEMTを誘導するプローブの作製を終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光照射による遺伝子発現誘導システムを確立したこと、また上皮マーカーであるE-cadherinプロモーター制御下で蛍光タンパク質を発現するコンストラクト、光照射によってEMT誘導因子を発現するコンストラクトの作製を終えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画は最終的にin vivoでの実験を想定しているため、プローブの確認にはEMTの誘導に汎用されている非転移性のNMuMG細胞を使用するだけではなく、EMT誘導因子の発現によって転移能を獲得するがん細胞株で確認を行い、使用する細胞株のスクリーニングを行う。
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